「上位3人遊撃手指名の巨人は最下位評価」元ヤクルト編成部長がドラフト成否を独自採点…「90点以上は楽天と中日。日ハム、ソフトは未来型で西武とヤクルトは戦術成功。阪神はユニーク挑戦」
「チーム事情に沿った戦略型の成功」と評価したのは、ヤクルトと西武の2球団。両球団は共に83点とした。 今季は先発陣が崩壊し、2桁勝利投手が1人も出ずにチーム防御率3.64で5位に沈んだヤクルトは、課題の投手補強の目玉で最速160キロの中村の1本釣りに成功した。 「“今”で判断すれば金丸より中村が上だと私は見ている。スポーツ紙の当日予想で中村1位を予想していた社はどこもなかった。情報管理もうまくやり戦略的に1本釣りできたのは評価できる。さらに再来年に村上宗隆がメジャーに行くことを見据えて、超高校級のスイングスピードに加えてミート力もある左の外野手、モイセエフ・ニキータ(豊川)を2位指名した。ただ補強ポイントが投手だったにもかかわらず、中村と3位のセガサミーの荘司宏太の2人の指名で終わったことには疑問が残る。その部分を差し引くと、大成功とは言えない」 また今季最下位に沈み西口文也2軍監督を新監督に昇格させた西武は、12球団最低のチーム打率.212に終わった打線強化が急務だった。1位で宗山を外し、外れ1位でも巨人と競合して高校生のショートではナンバーワンの石塚を逃したが、“外れ外れ1位”で金沢高のショートの齋藤大翔を指名し、2位で大学ビッグ5の一人である大商大の長距離砲で三塁もできる渡部聖弥の指名に成功した。大学、社会人の野手も2人抑えた。 「ウエーバートップの西武は2位で渡部を取れると読んでポスト源田を見据えアスリート型の齋藤を先に指名したのだろう。1位クラスの野手を2人指名できたのは大きい。また育成で大阪桐蔭のラマル・ギービン・ラタナヤケを抑えた。第2の万波中正のように育つかに注目したい」 オリックスとの競合に勝ち、大学ビッグ5の一人の西川を引き当てたものの大成功と評価できなかったのは82点のロッテ。 「足りなかった外野手の穴を西川で埋めることができたのは評価できるが、ずっと内野手を育てられないことが課題とされていたところに、また社会人のショートを2人も獲得したのが疑問。ドラフト戦略の焦点が見えなかった」 逆にその西川を逃して、富士大の1m80、83kgの大型外野手の麦谷祐介を指名したオリックスの採点をロッテより上の83点とした。 「西川を外したが麦谷を取れたのは大きい。彼は盗塁も通算44個するなど、強打、俊足、強肩の外野手。さらに2位指名の日体大の大型右腕、寺西成騎はバランスはよく大荒れしない。最速153キロで縦スラが制球できる即戦力。またここ数年、成功している戦略だが、今年も5位でENEOSの東山玲士、6位でNTT東日本の片山楽生と下位で2人の社会人投手を取った。社会人の下位指名はタブーだったが、事前の交渉とそれなりの条件を提示するのだろう。この戦略も評価したい」
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