【やり投げ日本代表】パリ五輪金メダル有力候補・北口榛花が摑む「何も考えずに投げる!」境地
パリ五輪へ視界良好! 国内初戦「水戸招待陸上」で60m台を連投して優勝!
「1投目から60mを超えられたのはよかったし、ホッとしました。でも、もう少し投げたかったというのが本当の気持ちです。自分の感覚と投げが合っていないというか、どうしてもしっくりこない部分があって、投げる直前に『こうしたい』『ああしたい』と考えてしまう。短距離走で言えば、『On Your Marks(位置について)』と『Set(用意)』の間で考えごとをしちゃってるみたいな感じで……」 北口榛花 父はパティシエ&大の甘党の彼女が見せた「もぐもぐタイム」【写真】 陸上女子やり投げの北口榛花(26)は5月5日、今季2戦目、国内初戦となった水戸招待陸上で61m83を記録して優勝。4月27日の世界トップ選手が集ったダイヤモンドリーグ蘇州大会(中国)に続く、連続優勝でパリ五輪に向け好スタートを切った。それでも、冒頭のように反省の弁が出るのは、自らが置かれた状況をよくわかっているからだろう。 昨年8月、ブダペストでの世界陸上で日本女子選手としてフィールド種目で史上初の金メダルを獲得すると、9月には自身の持つ日本記録を67m38まで伸ばし、年間を通じて世界トップ10に5つも記録がランクインするなど、北口はパリ五輪の金メダルの有力候補なのである。 「五輪で61m台では(メダル争いは)厳しい」と兜の緒を締める北口。頭にあるのは、「何も考えないで投げる」境地だ。 「投げる瞬間に考えごとをすると止まっちゃう感じが強くなる。駆け抜ける感じで投げたい。全力で――すべて何も考えないで投げる練習も必要かなと思っています」 次戦は5月19日のセイコーグランプリ(東京・国立競技場)。その後は練習拠点のある欧州に戻り、五輪に備える。 「蘇州大会に比べればよくなっていた部分もあるし、状態が上がれば記録が出るのはわかっているので焦らず調整していきたい。調子のよかった去年のいい状態に戻せるようにやっていけたら。パリではメダルが欲しいし、できれば金がいちばんですよね(笑)」 弾ける笑顔に自信がのぞいた。 『FRIDAY』2024年5月24日号より 取材・文:栗原正夫
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