「最悪な出会い」から夫婦レーサーに 産休から復帰した競輪選手は地元G1出場が目標「出産経てどこまで強くなれるのか」
日々熱き戦いを繰り広げているガールズケイリンの選手たち。今回クローズアップするのは、今年1月に産休から復帰した宮地寧々選手(28歳・岐阜=110期)。自力勝負にこだわり、デビューから4年で初優勝。夫婦レーサーとしても知られる宮地選手は、2025年4月に地元・岐阜競輪場で開催が決まったGI出場を目指し爆走中だ。
『道三まつり』で競輪と出会う
宮地は岐阜市出身。競輪を知るきっかけとなったのは、大学1年生の春に訪れた岐阜市を代表するお祭り『道三まつり』だった。 祭りでは日本競輪選手会岐阜支部がブースを出展し、自転車のイベントを行っていた。景品に惹かれた宮地は、固定自転車のスピードチャレンジに挑戦。そのとき岐阜支部のメンバーから「ガールズケイリンというものがありますよ」と教えてもらった。 家に帰り、受け取ったパンフレットを見ると「ガールズケイリンをやってみたい」という気持ちにスイッチが入った。家族も背中を押してくれたそうだ。
岐阜競輪場で直談判「選手になりたいんです」
「小さいころから『これやりたい』ってなるともう止まらない性格なんです」と笑う宮地。競輪選手になるために、すぐに行動を起こした。 「どうやったら選手になれるか分からなかったので、まず母と一緒に岐阜競輪場へ行きました。競輪場の入口にあるガイダンスコーナーで『選手になりたいんです』と伝えました。そのときガイダンスにいたのが元選手の北村嘉之さん(47期・引退)。びっくりしたと思うけど(笑)、そのまま藤原誠さんを紹介してくれました」
柔道で鍛えた“根性”で競輪学校一発合格
ガールズケイリン選手を目指し、師匠の藤原のもとで練習を始めた。その夏にはガールズサマーキャンプに参加。加瀬加奈子や石井貴子(106期)と撮影した写真は今でも大事な宝物だ。 「ピチッとしたレーサーウェアやパンツに驚いたり、自転車経験者の同世代の女の子たちが真っ黒に日焼けしていることにビックリしたり、貴重な経験をすることができました。後に競輪学校で同期になる林真奈美さんともここで知り合いました。ガールズサマーキャンプに参加して、より『選手になりたい』っていう思いが強くなりました」 地元に帰ってからも競輪場では乗り込み練習を重ねた。自宅ではひたすら垂直跳びをしていたという。 「柔道で鍛えた根性で試験に向けてできることは何でもやりました」 そして、迎えた110期の入試は、適性試験で受験した。気負わず臨んだというが一発で合格した。