高円寺の人気銭湯・小杉湯から始まった「銭湯のある暮らし」 2024年春は「銭湯×原宿」。運営者・利用者・地域の三方良し
高円寺の人気銭湯・小杉湯の隣のシェアスペース「小杉湯となり」を運営する、銭湯ぐらし代表の加藤優一さん。 小杉湯から始まった「銭湯のある暮らし」を広める活動は、今や全国に展開しています。地域資源を生かしたビジネスのヒントについて聞きました。
【加藤優一 YUICHI KATO】 銭湯ぐらし代表、東北芸術工科大学専任講師 建築家、株式会社銭湯ぐらし代表取締役、一般社団法人最上のくらし舎共同代表理事、OpenA・公共R不動産パートナー、東北芸術工科大学専任講師。 1987年山形県生まれ。 東北大学大学院博士課程満期退学。 デザインとマネジメントの両立をテーマに、建築の企画・設計・運営・研究に携わる。 銭湯を起点にしたシェアスペースの運営や、地域資源を生かした空き家再生など、事業の視点からまちづくりを実践中。 著書『銭湯から広げるまちづくり 小杉湯に学ぶ、場と人のつなぎ方』(学芸出版社)が発売中。
地域資源と組み合わせた三方良し
2024年春にオープン予定の東急プラザ原宿「ハラカド」に、小杉湯の2号店となる「小杉湯 原宿(仮称)」が出店します。 東急不動産から相談を受けて始まった本プロジェクトでは、「原宿に住む人に銭湯のある日常をつくる」をコンセプトに、加藤さんは基本計画を担当。現在は、小杉湯が主体になりオープンに向けて準備を進めています。
小杉湯から始まった銭湯を起点としたまちづくりは、今では高円寺にとどまらない広がりを見せています。その際に加藤さんが重視しているのが、「地域資源と組み合わせた三方良し」の考え方です。 加藤「運営者、利用者、地域の三方にメリットがあるかたちを目指しています。例えば風呂なしアパートを、地域の資源である銭湯と連携して『銭湯付きアパート』として再生する。 そうすれば空きアパートに入居者が集まり、銭湯にはお客さんが増え、入居者は自分のライフスタイルに合った暮らし方ができる。その地域に引っ越し、生活する人が増えれば、地域にとってもプラスです」