「しょうがない」はイタリア語にはない!? 日本女性の「深夜の30分」を変えたい…2児の母が新ブランドを立ち上げた理由
日本女性の「深夜の30分」を変えたいと新ブランド「YUTALY(ユタリ―)」を立ち上げた長谷川悠里さん。株式会社「エルゴン・ジャパン」代表であり、慶応大学文学部講師、そして2児の母という3つの顔を持っている。この21日に新商品「ミラノの夜景(シャンプー)」と「ミラノの星空(トリートメント)」が発売されるのを前に新ブランドに込めた思いを語ってもらった。 【写真】長谷川さんが開発したヘアケア商品
イタリアとの出合いは13歳のとき
心の高ぶりを抑えきれない。イタリアとの深いつながりから「エルゴン・ジャパン」を起業した長谷川さん。今回、働くママの強い味方になれば、と願って自身がプロデュースしたオリジナルブランド「ユタリー」のお披露目が迫っているのだから無理もない。 「重なるときは重なるもので大学関連の締め切りも迫っており、慌ただしく過ごしています。自身初のブランドで不安もありますが、発売前から大きな反響をいただき、自信にもなっています」 長谷川さんは母親が大学教員をしていた関係で13歳でイタリアのミラノへ。中学3年生からイタリアの学校に通い、大学は世界最古と言われるボローニャ大学へ進学。哲学や美術を学び、最後はミラノ国立大大学院修了という経歴を持つ。 イタリアでの生活は20年。その間、バイタリティに富んだイタリア女性経営者の影響を受けたこともあり、早くからマルチな才能を発揮した。貿易商社を起業する一方で「ダンテの遺言」(朝日新聞出版)も著した。作家では司馬遼太郎の小説が好きというから、しっかりとした歴史観を持っているのだろう。
新ブランド立ち上げるきっかけとは
帰国してからは人脈をいかしてイタリアの老舗コスメブランド「エルゴン」の直営店となる「エルゴン・ジャパン」を2018年に創業し、代表に就いた。その間、慶応義塾大学非常勤講師も務め、イタリア文化や健康のトレンドを伝える「イタリア通信」を配信中するなど精力的に活動。業績も着実に業績を伸ばしながら出産し、子育てにも励んできたが、忙しさのあまり、自分のことに時間をかけられない状態に。ときに体調を崩すときもあった。 「しばらくは美容院に行く時間も化粧する時間もない。人前に出られないような状態でした」 そんなとき、骨董関係の仕事で来日していた62歳のイタリア人女性経営者と再会。今回のブランドを立ち上げるきっかけとなった出来事にぶつかる。