佐藤浩市&岩井俊二 芸術選奨文部科学大臣賞・映画部門を受賞
俳優の佐藤浩市さん(63)と映画監督の岩井俊二さんが、28日に発表された令和5年度(第74回)芸術選奨の映画部門において、文部科学大臣賞を受賞しました。 【画像】佐藤浩市『TAMA映画賞』で最優秀男優賞 芸術選奨は、文化庁が毎年度、芸術各分野で優れた業績をあげた人物などを表彰するもので、1950年から始まりました。演劇や映画、音楽など12部門あり、大臣賞と新人賞には原則それぞれ2人以内が選出されます。
■映画部門大臣賞 贈賞理由
【岩井俊二さん 贈賞理由】 ギリシャ語で「主よ」を意味するキリエ。『キリエのうた』とは、「キリエ・エレイソン(主よ、憐(あわれ)みたまえ)」を繰り返すミサ曲のこと。ここでは名前を捨てた二人の女性と、この困難な世を生きる人々へ贈る讃歌(さんか)でもある。震災によって、貧困によって、全てを失った二人が、自身の力と揺るぎない友情によって未来を切り開こうとする。それを音楽で紡ぐ。岩井俊二氏の映画は、作中の音楽同様、大量消費を目的とせず、必要とする人のために作られる。支持する層は広く、口伝えで国内外に広がっている。
【佐藤浩市さん 贈賞理由】 『春に散る』では主役の一人として、元ボクサーを目つきも体の動きも鋭く説得力を持って演じ、脇に回った『愛にイナズマ』では一転、一見頼りないが芯のある父親をコミカルに見せた。青春時代劇『せかいのおきく』では、重しとして若者たちを支える。佐藤浩市氏は年齢を重ねるごとに奥行きと深みを増し、役の剛柔、大小を問わずしなやかに演じてスクリーンに存在し続ける。後進に心を配る姿勢も含め、円熟という言葉がふさわしい。