「危機感」地域差浮き彫りに 学校の防犯機器整備、事件のあった付属池田小は警備員配置
「日常活動(ルーティンアクティビティ)理論」という犯罪理論では第三者に目撃される可能性の低い場所で、加害者と被害者が遭遇するとされ、いわゆる監視性を高めることが犯罪の芽を摘むことに直結する。
ただ、本来は防犯機器の整備だけではなく、人を配置して出入りを監視するのが望ましい。二重三重に犯罪防止策と侵入された際の備えを講じるべきだが、凶悪事件が1カ所で頻繁に起きるわけでもないので、費用対効果などから、自治体間で温度差が生じる。
文部科学省は学校の安全を自治体任せにするのではなく、もっと主体的に推し進めるべきだ。
◆大教大付属池田小事件
大阪教育大付属池田小学校の校舎に平成13年6月8日午前10時10分過ぎ、当時37歳の宅間守元死刑囚が侵入し教室にいた児童らを包丁で次々と襲った。2年の女児7人と1年の男児1人が犠牲になり、1、2年の児童13人と教員2人が重軽傷を負った。現行犯逮捕された元死刑囚は15年に殺人罪などで死刑判決を受け、16年9月に執行された。国と学校は安全管理の不備を認めて遺族に謝罪し、賠償。事件は各地の学校で安全対策を強化する契機となった。(木ノ下めぐみ、小川恵理子)