エスピノサ力が圧勝デビュー、祖父は元WBC世界ライトフライ級王者「同じ世界のベルトを巻けるよう」
◆報知新聞社後援 プロボクシング チャンピオンズロード ▽スーパーフライ級4回戦〇 エスピノサ力(1回TKO)樋口嘉紀● (7日、大阪・エルシアター) 元WBC世界ライトフライ級王者・ヘルマン・トーレス氏(66)を祖父にもつエスピノサ力(りき、17)=大鵬=がデビュー戦で圧勝した。スーパーフライ級4回戦で樋口嘉紀(32)=大成=から1回、2度ダウンを奪い32秒TKO勝ち。来年の全日本新人王を狙う。通算成績は力が1勝(1KO)、樋口が1敗1分け。 力が圧巻デビューを果たした。開始直後、冷静に樋口の動きを見極めて右ストレートをヒット。返しの左フックでいきなりダウンを奪い、会場を沸かせた。立ち上がってきた相手に今度はアッパーからの連打で2度目のダウンを奪うと、レフェリーが試合を止めた。わずか32秒でTKO勝ちした17歳は「ストレートとアッパーには自信がある。緊張したけど、リングではモードに入れた」と笑った。 母方祖父のトーレス氏は日本を拠点に活躍したメキシカン。その影響で大阪生まれの力も小学3年から大鵬ジムでボクシングを始めた。「危険なスポーツだから、練習をさぼるならやめておけ」という祖父の教えは忘れない。朝はロードワーク、昼はアルバイト、夜はジムワークという生活だ。 大鵬健文会長は「年内あと3戦して来年は新人王」と期待。力は「まだスタミナが不安。おじいちゃんと同じ世界のベルトを巻けるよう、もっと練習しないと」と貪欲だ。(田村 龍一) ◆エスピノサ力(えすぴのさ・りき)本名エスピノサ力サムエル。2006年10月29日、大阪市平野区生まれ。17歳。8歳からボクシングを始め、平野中で野球転向も、興国高ボクシング部で競技再開。1年で中退し、昨年12月にプロテスト合格。母方祖母は日本人、母はメキシコ人、父はペルー人。6人きょうだい2番目の次男。身長176センチ、右構え。
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