卓球五輪代表レース最終局面へ。五輪メダリスト石川佳純、水谷隼も崖っぷち?!
東京2020五輪でのメダル獲得が有力視される卓球の日本代表選考レースが最終局面を迎えた。日本のトップ選手は実力が拮抗しており、五輪の代表争いはし烈を極める。特に女子は五輪初出場を狙う19歳の平野美宇(日本生命)とロンドン2012五輪、リオデジャネイロ2016五輪の2大会に出場した26歳の石川佳純(全農)が僅差のサバイバルレースに。その厳しさは五輪の代表争いを2度経験した石川も「毎回本当に苦しいですけど、今回ほど苦しいレースはない」と漏らすほどだ。 東京2020五輪の代表選考は基本的に国際卓球連盟(ITTF)が毎月発表しているシングルスの世界ランキングが基準となる。個人戦(シングルス)2枠に関しては、2020年1月時点の世界ランキングで日本人上位の2人が代表に内定。その2選手は団体戦(ダブルス1試合とシングルス最大4試合)3枠のうちの2枠も兼ね、団体戦要員の3人目はダブルスの実力を考慮した上で日本卓球協会(JTTA)強化本部が推薦する。そこには世界ランキングの基準がないため、同ランキングで日本人3番手に入っても代表入りできる保証はない。 こうした理由から選手たちは個人戦の出場枠を得るため必死に戦ってきた。その結果、混戦を真っ先に抜け出したのが伊藤美誠(スターツ)だった。11月のワールドツアー・オーストリアオープンでベスト4に入った伊藤はその時点で選考基準を満たし、五輪日本代表入りを確実にした。おまけに今季ツアー初優勝も飾る活躍ぶりだった。 これで“保証付き”の代表枠は残り1つとなり、平野と石川が争うことになった。二人は最新の世界ランキングで石川が10位、平野が11位と石川が上位にいるが、日本代表の内定者が発表される2020年1月6日時点の有効ポイント数を計算すると、平野が10695ポイント、石川が10630ポイントで平野が65ポイント上回る。しかし、これは1大会の結果で逆転してしまう僅差だ。 そんな二人に残されたポイント獲得のチャンスは年内2大会のみとなった。現在、開催中のノースアメリカンオープン(12月4~8日/カナダ・マーカム)と来週のグランドファイナル(12月12~15日/中国・鄭州)だ。ワールドツアーの格下大会にあたるノースアメリカンオープンには世界のトップランカーがエントリーしていないため、石川が第1シード、平野が第2シードに入る。お互い順当に勝ち上がれば決勝で直接対決になる可能性が高い。