初のベルギー人覇者として名を刻んだルナ・ヘンドリックス「もっと良い演技ができたはずだけど最高にハッピー!」 | ISU欧州フィギュアスケート選手権2024 女子シングル レビュー
その意味でもSPは大成功だった。ノーミス、オールレベル4の見事な完成度で、今季だけで3度目のパーソナルベスト更新を果たした。演技構成点(PCS)にいたっては、GPフランスから国際大会4回連続でPBを塗り替えた。1年前に比べれば、約3点ものアップだ。69.70点は、全体で上から2番目の得点でもあった。
「最高にハッピーです。ただベストを尽くし、シーズンベストを更新することが最大の目標でしたから。それを達成できたことに、本当に満足しています」
FSでは小さなフラストレーションも残る。11月上旬に記録したPB133.06点に、ほんのわずか0.47点及ばなかったからだ。あのときはノーミスだったが、ステップシークエンスがレベル3だった。今回の演技直後はノーミス&オールレベル4のパーフェクトを誰もが信じたが、スコア表には、4つのジャンプに「q」がついていた。ちなみに今大会のFSで、回転不足やエッジ違反をひとつも取られなかった選手は、24人中ただ1人しかいない。その選手(23位ネッラ・ペルコネン)に関しては、そもそも3つのジャンプが1回転にとどまり、いずれもGOEマイナスがついている。
やはりPCSは今季3度目の自己更新。「スパルタクス」を壮大に美しく演じ上げ、3つの評価ポイントのうち「コンポーネント」では初めて8点台に上がった。ジャッジに自分の表現世界を理解・認知してもらうことこそが、得点アップの正攻法……フィギュアスケートをいまだよく知らない地元メディアに対して常々こう説明してきたピンザローネは、高く堅固な土台を確実に築きつつある。
トータルでは、初めて200点を超える202.29点――もちろんPB――を記録。SP2位から一つ順位は下げたものの、17歳のピンザローネが、自身にとって初めての欧州表彰台乗りを実現させた。
こんなベルギーの2人の間にしなやかに滑り込み、銀メダルをさらい取ったのが、アナスタシア・グバノワ(ジョージア)だった。1年前に高いポテンシャルを解き放ち、ジョージア人として史上初の欧州チャンピオンに上り詰めた21歳は、再びユーロの舞台でアルカイックスマイルを浮かべた。
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