ウワサだけで判断してない!? フェースの開閉が大きいスイングと高MOIドライバーは相性が悪いって本当?
高MOIドライバーは「フェース開閉」を積極的に行うスイングと相性が悪くはない
トレンドテクノロジーである「高MOI(慣性モーメント)」を謳っている最新ドライバーは、多くの人気メーカーから発売されています。 【ビシッと伸びた左腕!】これがカッコいいフォローが決まる片手打ち練習のやり方です ですが、これらのドライバーは「フェース開閉」を積極的に行うスイングとの相性がよくない、ともいわれています。
確かに、他の番手に比べて最新ドライバーは、軽く大きくなったヘッドに様々な素材を使って余剰重量を配分することで、フェース開閉を抑えた設計になっています。 しかし、過剰な拡大解釈から「フェースを開閉させるスイングは合わない」との結論に行き着いてしまうのは、「余りに早計」といわざるを得ないデータが確認されています。 現在、世界ランキング1位の選手も昨季PGAツアー平均飛距離1位の選手も同じメーカーのドライバーを使用していますが、二人とも「スイング軌道に対してフェース開閉を行う」スイングをしていることは、モーションキャプチャーなどのデータで確認されています。 どんなスイングをしても、常にヘッド軌道に対して「フェースが直角」の状態を保ったままスイングすることはできません。 わずかな差こそあれ、誰もがスイング軌道に対して必ずフェースが開閉します。頭の中で意識していても、「フェースの開閉」をしないスイングは存在しないので、クラブメーカーが作る「高MOI」ドライバーのターゲットが、限られたスイングの人だけになることなどありえないのです。
スイングの「ビッグデータ」を一番理解しているのは大手クラブメーカー
スイング連続写真の「フェースが真っすぐ」なインパクトは、トップから「コンマ数秒」を切り取った「一瞬」でしかありません。 いくら言葉で「手は一切使わない」「フェースを返さない」といっても、実際には相当なスピードでグリップを回転させ、ヘッド軌道に対して「100度以上」フェースが返りインパクトを迎えています。
大手クラブメーカーはビッグデータを踏まえたうえで、ゴルファーの最大公約数に恩恵がある「高MOI」ドライバーを生み出し、シャフトやグリップなども含めた豊富なスペックをラインアップしています。 もしイメージどおりのフェースの向きでインパクトできていないなら、手や腕を使ってグリップを回転させフェースをもっと返すか、今のスイングでちょうどよいインパクトになるようにクラブを調整するのが普通の対策です。 大手シャフトメーカーも同様で、感覚だけではなくビッグデータも理解したうえで新しいモデルを発売しているのです。