ドルがじり高-トランプ氏が米大統領選挙討論で優位との見方
(ブルームバーグ): 米大統領選挙の第1回討論会ではトランプ前大統領が優勢だったと市場が判断したことで、ドルはアジア時間の取引でじり高となっている。
ドルの指標は28日一時0.2%高となり、その後は上げ幅を縮小した。週ベースでは6週連続の上昇に向かっている。バイデン大統領は討論会の序盤でつまずき、11月の選挙でトランプ氏を破ることができるのかという懸念を強める結果となった。
バイデン氏に数字言い間違えの場面も、手痛い失点に-大統領選討論会
コモンウェルス銀行のストラテジスト、キャロル・コン氏(シドニー在勤)は、「ここまでの反応から判断すると市場はトランプ氏が討論会で『勝利』したと考えている」が、「結論を出すにはまだ早い」と語った。
米国債利回りと米国株先物は小幅に上昇した。メキシコ・ペソは1%近く下落した後、0.4%安まで戻した。アジア通貨は総じて横ばい。
アジア株のセンチメントはおおむね明るく、ほとんどの国・地域の株式相場が討論会中に上昇した。中国に関するタカ派的な発言がなかったことが、ポジティブサプライズと受け止められた。ハンセン中国企業株指数は0.8%上昇した。
サクソ・キャピタル・マーケッツのマーケットストラテジスト、レドモンド・ウォン氏は「この地域にとってポジティブサプライズだが、その度合いはほどほどだ」と述べ、中国への対応に関する政治的コンセンサスは、大統領候補だけでなく議会にも左右されると指摘。今後数カ月で緊張がエスカレートする可能性もあると付け加えた。
原題:Dollar Edges Up as Markets View Trump Leading Election Debate(抜粋)
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Matthew Burgess