【資産運用のちょっとした豆知識】始めよう! 貯金と投資~72と126のルールとは~
積立投資に使える数字は“126”
72の法則は一括で投資した場合の算式です。「今年から積立投資を始めたい」という場合に使えるのが“126ルール”です。これは積立元本が2倍になる年数を求める法則です。 「年数×利率=126」は、もし利率2%で運用し続けるなら、何年で投資元本を2倍にできるのかというと、126÷2=63年です。逆に、「20年間コツコツ積立投資をして元本を2倍にしたい、どのくらいの運用利率が必要なのか?」というと、こちらの使い方のほうが現実的かもしれません。 例えば、「126÷20=6.3%、20年間ずっと6.3%で運用するのは少しリスクが高いかもしれない……」と不安に思う場合は、「30年間では、126÷30=4.2%、ちなみに3%で運用するなら、126÷3=42年間になる」など、この法則を使えば、自分のリスク許容度や余裕資金とのバランスなどの目安にできるのではないでしょうか。もちろんリスク商品では、安定して利率を保持することは難しいという前提はあります。 (図表2)
例えば、 (1)毎月2万円ずつ3%で積立投資をしていくとして、126÷3=42年間 2万円×12ヶ月×42年間=1008万円…積立元本 これが3%運用することで1008万円×2=2018万円 42年後に2018万円の資産になる (2) 42年後に資産を2000万円にしたい場合、利率3%で運用すれば 2000万円÷2=1000万円…積立元本 1000万円÷(42年×12ヶ月)=約1万9800円 42年後に2000万円の資産にするためには、毎月約1万9800円の積立が必要になる 「老後2000万円問題」というニュースがありました。「いきなり2000万円!?」と驚いたものですが、もし42年という時間があれば、3%運用で毎月約2万円の積立で実現します。運用利率3%は、そんなに無理な数字ではありませんし、余裕があれば積立金額を上げて早期に前倒しすることも可能です。このルールは、新NISAのつみたて投資枠を利用する際のイメージ作りにも役立つと考えます。 最後に、この“126ルール”は慶應義塾大学 理工学部 枇々木規雄(ひびきのりお)教授が提案されたものです。以前、筆者が枇々木教授のセミナーに参加した際、126(2倍)以外の下記ルールも紹介されました。 (1)元本が1.5倍になる76ルール 年数×利率=76 (2)元本が2.5倍になる162ルール 年数×利率=162 (3)元本が3倍になる190ルール 年数×利率=190 これらのシミュレーションを参考にし、自分の生活環境に合った貯金・投資のスタイルを探してみましょう。 執筆者:宮﨑真紀子 ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部