BL東京、リーグワン初決勝 府中ダービー制しTL時代09年以来14季ぶりVへ
リーグワン1部プレーオフ準決勝(19日、秩父宮)レギュラーシーズン2位のBL東京が同3位の東京SGに28-20で逆転勝ち。3季目のリーグワンで初めて決勝に進出した。26日の決勝(国立)で今季負けなしの埼玉と対戦する。難敵だが、NO・8リーチ・マイケル主将(35)らは前身のトップリーグ(TL)を制した2009年度以来14季ぶりの優勝を誓った。 7-10で折り返した後半開始からの10分間で、BL東京は勢いを取り戻した。2分、ラインアウトからの攻撃でWTBナイカブラが抜けだし、フォローしたFL佐々木が東京SGのFB松島を振り切って逆転トライ。佐々木は「スピードには自信がある」と胸を張った。 その7分後には東京SGのSH斎藤にラックサイドを突かれ、再逆転を許したかに見えた。ここで主将のNO・8リーチが動く。滑川レフェリーに歩み寄り、相手の反則をアピール。ビデオ判定の末、斎藤にタックルしようとしたWTB桑山淳への妨害が認められ、トライは取り消された。 「僕は見えていなかったけど、給水係の中尾から『引っ張られたんじゃないか』と進言された。あのトライがなくて本当によかった」 リーチは胸をなで下ろした。前半開始直後から大きくボールを動かす東京SGに振り回され、タッチライン際へのハイパントにも悩まされたが、「とにかく我慢」(リーチ)を続けた。SOモウンガの完璧なキック処理もあって、拠点が同じ府中ダービーでライバルに〝3タテ〟を食らわせた。 過去日本選手権優勝6度、TL優勝5度を誇りながら、2009年度にTLを制して以降、タイトルから遠ざかる。決勝進出もパナソニックに26-27で敗れて準優勝に終わった15年度が最後だ。26日の決勝で埼玉を下せば14季ぶりの栄光が手に入る。 「久々の決勝だし、国立競技場でやれるし、楽しみです」とリーチ。渇望する頂点へのエネルギーを、マグマのように噴出させる。(田中浩) ■データBOX
◉…全国規模の大会でのBL東京(東芝府中、東芝を含む)と埼玉(三洋電機、パナソニックを含む)の決勝対決は過去5度。1996年度全国社会人大会で東芝府中36-21三洋電機、トップリーグは2008年度に東芝17-6パナソニック、09年度に東芝6-0パナソニック、15年度にパナソニック27-26東芝、13年度の日本選手権のパナソニック30-21東芝で、BL東京の3勝2敗。