「安いプランでいい」に三流は最安値を提案、そのとき一流が使う“高いプランを選びたくなる”キラーフレーズ
顧客に安価なプランを求められたら、どう対応するといいか。営業研修トレーナーの伊庭正康さんは「顧客から求められた通りに提案してはいけない。それでは満足度が上がらないからだ。背景を伺い、相手の課題を解決できる方法を提示することが営業の絶対法則である」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。 ■「営業ほどラクな仕事はない」が大袈裟ではない理由 お客様から愛される営業になるために、覚えておいてほしいことがあります。 もし、あなたが「営業ってしんどいな……」と思う時が来たら、こう考えるようにしてください。 「しんどいのは最初だけ(今だけ)」、と。 私も最初の頃は、「なんてしんどい仕事だ……。内勤がいいな……」と思ったことが、幾度もありました。 でも、それを越えるとスーッとしんどさは和らぎます。 スキルが身につき、効率が上がるからです。 さらにその先に待っている世界があります。 「営業ほどラクな仕事はない」、これです。 もちろん、仕事を舐めているわけではありません。 「売る」ではなく、「売れてしまう」状況になるのです。
■売れてしまう状況をつくる「販売力」の方程式 信じられないかもしれませんが、あるメカニズムを知ると、今のしんどさはそのプロセスでしかないと気付くことができます。 そのメカニズムが、これです。 ---------- 販売力=行動量×技術×営業基盤 ---------- 私がこの「販売力」の方程式を知ったのは、営業を始めて3年目くらいの時でした。 『高額商品セールスマンのための驚異のセールス・アクション・プログラム』でその論を見たのがきっかけでした。 ちょっと難しそうですよね。 安心してください。めちゃくちゃ簡単です。 よく、営業は「行動量がすべて」といったことが言われますが、この本の趣旨はそうではありません。 大事なことは、その先。 「売れる営業基盤」をつくることがゴールであることが記されていたのです。 こう考えるといいでしょう。 「営業基盤とは、契約をくださるお客様、または見込み客がたくさんいらっしゃる状態」のことだと。 例えば、お客様が3社だと、探客のために走り回らないといけませんよね。 でも、お客様が50社あり、見込み客が100社あれば、契約が自然に入りやすくなります。 実際、こんな感じ。 今、私は研修会社を営んでいます。 最初は、営業活動をしましたが、今は探客をしていません。でも、講師としての閾値とも言われる年間200回の研修がコンスタントに入ります。 実は、それ以上のお問い合わせをいただいていますが、受けられない……そうした状態が続いています。これこそが、営業基盤のパワーです。 ■しんどい期間を経て「愛される状態」がつくられる 話を戻しましょう。 かつて、求人広告の営業をしていた時、最初の2年はとにかく電話と訪問をしまくっていました。 「これでは身が持たないな……」と思っていた頃に、この法則を知ったのです。 そして、こう考えました。 今、一生懸命に訪問活動をしているのは、この先もずっとその状態が続くわけではなく、お客様から多くの契約をいただける「営業基盤」をつくるためである、と。 その基盤をより強く、より早くつくるために必要なのが、本書で紹介する「トップ営業の気くばり」です。 営業基盤とは、言い換えると「愛される状態」をつくることと考えて差し支えありません。 そして、それはちょっとだけ時間がかかるのです。 なので、もし「しんどいな……」と思う時が来たら、この先のことを考えてみてください。 「どんな営業基盤」をつくりたいのかを考えてみるのです。 もしイメージができないなら、あなたの会社のトップセールスは、どんな基盤を持っているのか関心を持つといいでしょう。 繰り返します。 しんどいのは最初だけ。愛されるまでの助走期間です。