放置された竹林の整備で“一石二鳥”…メンマ「竹とり物語」を商品化 福井県越前市、市長も太鼓判
福井県越前市坂口地区の住民有志が、竹林整備と地域の活性を兼ねて試作を続けてきた地元産メンマが商品化されることとなり9月2日、市生涯学習センターでお披露目会が開かれた。商品名は「竹とり物語」。武生名物の中華そば店に卸すほか、一般販売も行う。試食会では「柔らかくておいしい」「これはイケる」と大好評だった。 【写真】メンマ「竹とり物語」のパッケージ 坂口地区は山あいに位置し、人口約360人。放置された竹林の環境を改善しようと、地区うららの町づくり振興会有志が2022年度から、幼竹を使ったメンマ作りを始めた。県外へ視察に出かけたり、地元で製造体験会を企画したりと活動の輪を広げてきた。 4~5月にモウソウダケの幼竹を刈り取り、皮をむいて下ゆで。30%の濃い塩で3カ月間漬け込み、数日陰干しして完成となる。本年度は約2.6トンの幼竹から540キロほどのメンマができあがり、量産体制に入ったとして販売に踏み切った。 お披露目会には地区関係者のほか、山田賢一市長や取り組みに関心を持つ他地区の住民も参加した。武生麺類業生活衛生同業組合が協力し、完成した坂口産メンマを使った中華そばを提供。山田市長も「シャキっとしておいしい」と太鼓判を押した。市はメンマの生産に対し、森林環境譲与税を活用し100万円を補助している。 中心的に活動してきた内山秀樹さん(67)は「安心安全のおいしさをようやく共有できる」と喜ぶ。大量生産には担い手確保など課題もあるというが、「地区外に取り組みを広げ、竹林の利活用を広げていきたい」と意欲を見せた。 購入は里山工房さかのくち(同市湯谷町)=電話090-4684-4304。1キロ入り2200円、500グラム入り1100円で販売している。市内数店の中華そば店で近く提供を始めるほか、スーパーでの小売りに向けた準備もしている。