大喜利だけじゃない『笑点』メンバー落語の実力と魅力
好楽の若手育成手腕! ブラック円楽は実はスマートだった!?
そんな超ベテラン2人に負けず劣らず、他のメンバーの活躍も目覚ましいという。 「三遊亭小遊三師匠は、小気味のいい語り口が持ち味。威勢のいい啖呵(たんか)やリズム感あふれる会話で、観客を江戸の世界へと導きます。三遊亭好楽師匠は、このところ弟子育成の手腕も光っています。二番弟子の“兼好”は今や人気落語家に成長。また、ピン芸人だった“末高斗夢”を一門に迎え、“三遊亭とむ”として二つ目に昇進させています。三遊亭円楽師匠は、『笑点』で見せるブラックキャラとは違い、高座はスマートで分かりやすい。観客の求めているものが何かを瞬時に嗅ぎ分ける感覚が鋭いですね」(前出の演芸ライター) そして噺家として脂が乗っているのが、春風亭昇太師匠と、林家たい平師匠だ。 「昇太師匠は、古典落語、新作落語どちらもこなし、自由な発想で展開される独自の世界観が幅広い世代に人気です。俳優としても『軍師官平衛』、『花燃ゆ』とNHKの大河ドラマにも連続出演しており、多方面での活躍も目立っています。たい平師匠は、サービス精神あふれる明るい芸風。噺の随所に現代的な笑いのエッセンスを散りばめ、観客を飽きさせません。2人とも、『笑点』では、まだまだ若手ですが、落語界を牽引する存在であることは間違いないでしょう」(同演芸ライター) 毎週、“大喜利”というチームプレーでお茶の間に笑いを届けている『笑点』。50年という長い間、多くの国民に支持され続けてきたのは、こうしたメンバーの落語家としての個々の実力と日々の研さんがあってのことだろう。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)