奈良美智キュレーション!〈Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi〉で4組のアーティストを紹介します。
奈良がキュレーターを務めた展示『ささめきあまき万象の森』。10年余り通う北海道での日々が、空間に立ち上がります。 【フォトギャラリーを見る】 「アートの街、アートフェア。巷にはアートを盛り上げる動きがたくさんあるけど、果たしてアートって、周りが盛り上げるようなものかな? とも思うんです。見せるために作るのではなくて、もっと淡々とただ作り続けたい。今回この小さな空間には、そんな仲間たちが集まりました」 東京・京橋に新たに誕生した〈TODA BUILDING〉内の〈Yutaka Kikutake Gallery〉でそう話す奈良美智。12月21日まで開催中の『ささめきあまき万象の森』は、奈良がキュレーターを務めた、自身を含む5組の個性ある作家によるグループ展だ。 「“自然” や “不変” をテーマにとキュレーションの話をいただいて、土や木、そして空気/スピリットという意味での気をキーワードに据えました。それで自ずと、10年くらい通い続ける北海道で出会う人たちとやろうと思いついたんです。酪農家でありながら、誰に見せるでもなくコツコツと木彫を続ける渡辺北斗君。植物によるインスタレーションやワークショップを続けてきたBOTAN & sumire。廃校の荒れていた学校林の再生プロジェクトを通じて知り合った国松希根太君。斉藤七海さんも含め、美術のつながりではない、温かなコミュニティの中で出会った人々です。国松くんと斉藤さんはアーティストだけれど、それはたまたま。皆、自分たちの置かれた自然や日常と向き合い、暮らしながら何かを作ったりしていて、それがとてもいい」 大胆な植物のインスタレーションがなされたこぢんまりとしたギャラリー空間。絵画や木彫や陶芸など、毛色の異なる作品が詰め込まれているのに、互いが邪魔し合うことなく、一体となって親密な空気感を醸し出している。「居心地のいい場所を探すうちに北海道の小さな町へ行き着いた」という奈良が見つけた宝物たちだ。