陥没乳頭(乳首)の治し方を医師が解説 保険適用や切らない治療法もあるって本当?
バストの悩みは人に相談しにくく、陥没乳頭は「病気ではないのだから、保険適用では治療できないだろう」と思っている方も多いと思います。 そんな、よく理解している人が少ない「陥没乳頭の治療法」について、保険適用の治療や手術以外の治療法などについて、乳腺専門医の田中義人先生(ソワカ乳腺・形成外科クリニック大阪院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
バストトップが凹んだ陥没乳頭(陥没乳首)とはどんな乳首の状態? 埋没してしまう原因は何? 授乳障害などどんな影響がある?
編集部: 「陥没乳頭( 陥没乳首)」について教えてください。 田中先生: 「陥没乳頭」は、文字通り乳頭が内側に凹んでしまう状態のことです。 編集部: どうして凹んでしまうのですか? 田中先生: 凹んでしまう原因はよくわかっていません。乳房の中に組織の引きつれや収縮が起こることによって引き起こされることが多く、乳房とそのまわりの組織のバランスが関係していると言われています。 編集部: どういう症状が考えられますか? 田中先生: 外見的に気にされる方が多いこと以外には、「授乳ができない」「分泌物が溜まり乳腺炎や乳輪下膿瘍になりやすい」などの問題があります。また、凹んでしまう原因として、何か別の病気が隠れている可能性もあります。 編集部: どんな病気が隠れているのですか? 田中先生: もともと陥没乳頭の傾向がなかったのに次第に陥没してきたという方は、乳がんなどの病気が隠れている可能性があります。乳がんの早期発見につながる可能性もありますので、ある時期を境に陥没乳頭が生じてきた方は、一度医療機関に相談されることをお勧めします。
陥没乳頭(陥没乳首)の治し方を医師が解説 何科の病院でどんな手術になる? 切らない治療方法とは?
編集部: 陥没乳頭は治療できるのですか? 田中先生: 特に症状などがない場合は、必ずしも治療が必要ではありません。 ただし、先ほどの「乳輪下膿瘍」などがある場合は、早期の治療をおすすめします。それぞれの状態や症状に応じて検査や画像診断を行い、陥没の状態を特定し、適切な治療を行っていきます。 編集部: 陥没乳頭は何科に行けば良いのですか? 田中先生: かかりつけの乳腺外科などがあれば、まずはそちらで相談しても良いと思いますが、手術となると、陥没乳頭治療を積極的に行なっている形成外科などが良いと思います。 編集部: どんな治療法がありますか? 田中先生: 陥没の程度などにもよりますが、軽度なものであれば、吸引を加えて引き出すような形で手術をせずに治すことも期待できます。重症例ですと、吸引だけでは治らなかったり、一度はよくなっても、再陥没したりする可能性があります。 編集部: では、手術についても教えてください。 田中先生: 一般的に、程度の軽い方には「難波法」、やや重度な方には「酒井法」が選択されます。 「難波法」は手術損傷が比較的少なくて済みますが、重度の陥没乳頭だと結果が出にくい傾向にあり、「酒井法」は、重度の方にも効果が出やすい一方、ある程度の乳管の損傷が生じる可能性があるというメリット・デメリットがあります。 また、当院のように、独自の手術法を開発している医療機関もあります。