甲状腺がん発見率、年齢差なし 福島医大が分析結果示す
東京電力福島第1原発事故当時18歳以下だった県民を対象にした甲状腺検査を巡り、福島医大は15日、事故当時の年齢によって甲状腺がんの発見率に大きな差はみられないとする分析結果を明らかにした。県によると、発見率が年齢・年代別に示されるのは初めて。専門家からは、乳幼児だった世代で甲状腺がんが増える可能性が指摘されていた。 県民健康調査検討委員会の甲状腺検査評価部会で示した。福島医大は2018、19年度に行われた4回目までの検査結果を基に、人口当たりの甲状腺がん発見率(疑い例を含む)を5歳ごとに集計。事故当時4歳以下、5~9歳だった世代と、ほかの世代で傾向に違いはなかったとした。 鈴木元部会長は部会終了後の記者会見で、チェルノブイリ原発事故後には、胎児を含む5歳以下で甲状腺がん発症率が高くなったと指摘。福島医大の集計結果について「事故当時5歳くらいだった子のリスク(危険性)を検証できる段階まできたが、4歳以下だった世代はまだデータがない。今後2、3年のデータをしっかり確認しなければならない」と述べた。