業務委託の宅配ドライバーの厳しい現実 230個配達で終了は22時半 ブラックフライデーで荷物1.5倍も日当変わらず1万6000円
置き配や宅配ボックスの導入など配達の効率化も進んできてはいるものの・・・。 樋口さんが荷物を持って戻ってきました。 樋口さん「不在でした、中に入れない、オートロックなので。宅配ボックスも一杯で」 オートロックのマンションでは不在の場合、置き配ができないほか、12月の繁忙期は、宅配ボックスがすでに埋まっていることもあります。 配達できなかった荷物は、すべて持ち帰ります。 気づけば夜になっていましたが配達は続きます。 ■午後10時20分、230個の荷物を配達 樋口さん「ただ足はパンパンですけど、終わりが見えてくると疲れも飛びます」「最後はここです。これで荷物もゼロになります。ちょっと行ってきます」 配達が終わったのは午後10時20分。この日は全部で230個の荷物を配りました。 樋口さん「帰って早く寝たいです。正直、ネット通販大手に”使われている感”はすごくあります。安全第一をうたっているんでしたら、僕らにもそれなりの適正個数で配達させていただければっていうのが正直なところです」 ■ドライバーの負担減らすために 一方、樋口さんが業務委託契約を結んでいる配送事業者も、ドライバーの負担を減らすための工夫を行っています。 RKB 西尾健佑記者「翌日運ぶ荷物が倉庫に積まれていますが、ラックをみると地域や時間で細かく区切られています」 福岡市博多区の「ファンタジスタプロダクション」。 軽貨物ドライバーの負担を減らすため、翌日の荷物をエリアや配達時間で細かく分けています。 ファンタジスタプロダクション 専務取締役 秋浩一さん「ある程度時間帯で仕分けてあげた方が、作業効率があがります。私たちは、やはりドライバーさんがしっかりと配達しやすい環境を作るためにそういうことをやっています」 ■増える”軽貨物車の重大事故” 宅配の荷物が増える中、軽貨物車の重大事故も増えています。 死亡・重傷事故の件数は2016年には全国199件でしたが、2022年には403件とおよそ2倍となっています。 前出のドライバー・樋口さんも「宅配中に不安を感じることがあった」と話します。 樋口さん「配りきれないかもしれないっていう焦りからスピードが上がったりとか、自分でもきょう危なかったなって思うことが多々あります」 重大事故の増加を受け、国は来年4月から、宅配業者の安全対策を強化します。
軽貨物の運送事業者には、営業所ごとに安全管理者を選任し2年ごとの講習の受講を義務付けるほか、業務の開始日時や走行距離などの記録を作成することが求められます。 九州軽貨物協会 古森敬三 代表幹事「軽貨物は世界に誇る日本のインフラ。安全も含めて、健康も向上していくんじゃないかと期待しています」 めまぐるしく変化する運送業界の構造的な問題。 ドライバーが、安全に荷物を届けるための環境づくりが急務となっています。
RKB毎日放送
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