業務委託の宅配ドライバーの厳しい現実 230個配達で終了は22時半 ブラックフライデーで荷物1.5倍も日当変わらず1万6000円
RKB毎日放送
何かと慌ただしい師走。 この時期、特に忙しいのが宅配業者です。 年末商戦で多くの荷物を配達しているドライバーの1日に密着すると、働き方改革で注目された2024年問題以降も依然、蚊帳の外に置かれているドライバーの厳しい現実が見えました。 配達時間は1個平均3分、車を降りたらダッシュ…ハードな一日に密着 ■40代・個人事業主の軽貨物ドライバー 福岡県内で、ネット通販大手の荷物を配達する40代の樋口さん(仮名)。 地域の配送業者と契約する個人事業主の軽貨物ドライバーです。 この日、配達する荷物を見せてもらいました。 樋口さん(40代)「結構ぎちぎちです。ブラックフライデーの影響でちょっとずつ荷物が増えていっていますね」 この日、午前9時半に配送スタート。 1回目の荷物の数は142個です。 繁忙期の12月は、通常の1.5倍に増えるといいます。 樋口さん「2024年問題が始まってからも、拘束時間なんて変わらないです」 今年4月から運送業で始まった「働き方改革」。 時間外労働の規制が強化されるいわゆる「2024年問題」ですが、これまで無制限だったトラックドライバーの残業時間はひと月あたり平均80時間までに制限されました。 ただ、樋口さんのような個人事業主は、状況がほとんど変わらないといいます。背景にあるのは、多重下請構造。 樋口さんがこの日配達している荷物は、まずネット通販大手が、「配送元請け」と呼ばれる業者に委託。 その配送元請けが「地域の配送事業者」にさらに委託。 最終的に地域の配送事業者が樋口さんに配送を委託しました。 樋口さんは、地域の配送事業者と業務委託契約を結んでいて、こうした3次請けの仕事がほとんどだといいます。 樋口さん「言い方悪いですけど、都合のいい業務委託なのかなって」 ■走って配達 気づけば夜に・・・ 樋口さん「ダッシュで行ってきます」 荷物を時間内に全て配り終えるために配達は基本、走って行います。 1個あたりの配達にかけられる時間は3分。 荷物がいくら増えても日当は変わらず1万6000円です。 樋口さん「一日いくら配ってもこの値段。雨が降っている時も、風が強かった時も、それでも荷量は変わらない」
【関連記事】
- 「財布がなくなった」女子高校生の相談にゲームセンターの店長がとった”とっさの判断”「靴をみました」
- 「娘が帰ってこない 位置を調べるとラブホテル・・・」 14歳女子中学生を監禁し性的暴行か 窓から逃げた中学生を連れ戻し・・・23歳会社員の男を逮捕
- 24歳女性に自らを”暴力団組員”と伝えて脅す→性的暴行を加えその様子を動画撮影→移動する車内で着用していた下着を奪い取った疑い 48歳会社員の男を逮捕
- 15年以上に及ぶ路上生活と売春 ”睡眠不足になるほど客をとった” 姉への強盗殺人罪に問われた妹(52) 収入はほぼ知人の女に送金と証言 ふたりの不可解な関係
- 「逆らったらクビにされる」ペットショップ”勤務中”に起きた性加害 経営者の男(66)が複数の女性従業員に 裁判で明らかになった支配の構図と恐怖心