野村証券社員だった容疑者、睡眠薬持ち込んだか 自身に処方された薬と被害夫婦の成分一致 広島市の強殺未遂・放火事件
広島市西区の民家で7月、高齢夫婦に睡眠作用のある薬物を服用させて建物に放火し、現金約2600万円を奪ったなどとして、神奈川県の無職の男(29)が強盗殺人未遂と現住建造物等放火容疑で逮捕された事件で、容疑者の自宅で見つかった薬物の成分が、夫婦の体内から検出された薬物の成分と一致していたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。 【写真】送検のため広島西署を出る容疑者 捜査関係者によると、広島県警が広島市内に当時あった容疑者の自宅から家宅捜索で押収したのは、容疑者に処方されていた睡眠薬だった。容疑者は夫婦の妻(84)に睡眠薬を服用させたことを認めているという。県警は容疑者が自身に処方された薬を夫婦宅に持ち込み、何らかの方法で飲食物に混入したとみて調べている。 容疑者は当時、野村証券の社員で、夫婦は顧客だった。捜査関係者によると、火災当日は容疑者が投資に関するお祝い名目で食事会を企画し、夫婦の自宅を訪れて飲食していた。火災はその際に発生し、夫婦は一時、意識もうろうとなったが、火災に気付いて屋外に避難した。 県警によると、容疑者は「現金を盗んだが、放火はしていない」と供述しているという。
中国新聞社