宿泊施設も参考書も提供します 勉強に集中 金沢市の塾 被災地の生徒をバックアップ
金沢市内の学習塾では大学受験を控えた被災地の生徒を無償で受け入れ、週末に迫った大学入学共通テストにむけて最後の追い込みを後押ししています。 金沢市高尾台の学習塾「スタディハウス」では、大学受験を控える輪島市や七尾市などの高校生およそ30人を受け入れています。 個別で学習指導をするだけでなく宿泊場所の提供や弁当代、参考書代なども塾側が負担するなど、生徒たちは安心できる環境の中で勉強に集中しています。 地震発生を受けて塾長の辰村和俊さんが被災地の受験生を何とかしたいと能登の学校と連絡を取り、1月5日には、輪島市を訪れました。 「本当にきつくて復興にも時間がかかると思いながら、それでも輪島市の人は温かい。絶対に助けようと思った。自分の資力の限りを尽くしたい」(スタディハウス・辰村和俊塾長) 「2階にいて、勉強を始めていたけど、最初の揺れ大したことないと思っていたら、すごい揺れがきて、家ごと崩れてしまうんじゃないかと。死を覚悟した」 「とてもありがたいです。時間はないですが、やってきたこと、しっかり出し切れるように頑張るだけ」(被災した受験生) すでに辰村さんの活動を知った全国の人から、使ってほしいと善意が寄せられていて、今週末の大学入学共通テストのあとには私立大学の試験が続くことから辰村さんは活動を継続的に進めていくため、広く援助してもらおうと基金を創設して、受験生をさらに強力にバックアップしています。 「まずは不安を取り除いてあげて、今勉強することが正しいことなんだ。4年後、5年後に向けて力をためて、能登の経済や能登の方々を救うのは、当然のこと、という話をした」(スタディハウス・辰村和俊塾長) 辰村さんは、大学受験のバックアップだけでなく、高校や中学校の受験生も受け入れたいとしています。 受験生の支援もめぐっては県も金沢市内のホテルを借り上げ全壊・半壊・断水などの家屋に住む受験生に対し金沢西高校に学習場所を提供する方針を示しています。
北陸放送