梨の老木「だるま」に 処分のはずが…グッドデザイン賞 熊本・氷川町の若手職人3人組が制作
吉野梨の産地、熊本県氷川町の若手職人3人組「3PERCENT(パーセント)」が作る「梨だるま」が、本年度のグッドデザイン賞を受賞した。本来なら焼却処分されるはずだったナシの木を価値あるものに再生する点が評価された。 梨だるまは、樹齢30年を超えて伐採された木を製材後、3年ほど乾燥させて作る。高さ約9センチ。見た目の特徴に応じて、節やひび割れを生かす「FUSHIME」、木目が美しい「PREMIUM」、漆塗りの「URUSHI」、歌舞伎風の顔の「KABUKI」の4種がある。商売繁盛や、長寿祝いの記念品や贈答品として人気で、これまでに全国各地から500体以上の注文があった。 グッドデザイン賞は公益財団法人日本デザイン振興会(東京)が毎年表彰。今回は全国5773件の応募があり、1579件が受賞した。梨だるまは「地域のブランディングに寄与する産物として成長する可能性を感じた」などと評価された。
3PERCENTは4年前に結成。庭師の山本貴一さん(35)が木の伐採、材木店を営む四宮一人さん(41)が製材、家具職人の古島隆一さん(43)が制作を担当する。3人は「受賞できてうれしい。今後も『やさしい未来をつくる』を目標に活動したい」と話した。(上島諒)