京都国際映画祭プログラム発表会見「三船敏郎賞」など創設、世界に文化を発信
京都と言えば、その地を舞台にした数々の名作映画はあるし、太秦映画村もある。そんな京都でこのほど「京都国際映画祭」のプログラム発表会見が開かれた。 吉本興業などが中心となって開催する映画祭だが、木村祐一と平野智美(KBS京都アナウンサー)が司会を務め、実行委員長の中島貞夫監督、総合プロデューサーの奥山和由など映画界の重鎮やよしもとの京都出身のタレントなどが集まり、にぎわいを見せた。同映画祭は、よしもと祇園花月をメイン会場に市内各所の会場で実施される。
戦後の映画界最大スターへの敬意を表し「三船敏郎賞」創設
「京都映画祭」は1997年から第8回まで開催され、今年からその伝統を引き継ぎながら、「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに、「京都国際映画祭」として発展継承を図ることになった。 さらに戦後の映画界最大のスターに対する敬意を表して「三船敏郎賞」を創設。国際的な活躍を期待される俳優を表彰する。会見に出席した三船敏郎の長男、三船史郎は「身内として大変うれしく、また三船本人も喜んでいると思う」と感謝の意を述べた。また、世界的に著名な俳優や監督の功績をたたえる賞として「モスト・リスペクト賞」も新設され、第1回はアメリカの俳優のクリント・イーストウッドに贈られることが決定した。 吉本興業の吉野伊佐男会長は「京都を愛する皆さまと一緒に楽しみ、新たな映画文化を作り上げるために国際映画祭として発展、継承を図り、京都から全世界に発信していきたい」と意気込みを語った。奥山和由総合プロデューサーは、「1つは先輩の方々へのリスペクト。もう1つは、若い方々から才能を見つけ出す。この2つをコンセントでつないで世界に発信していく。国際都市の京都でなければできない」と、京都で開催する理由を説明した。
オープニング作品は竹野内豊主演「at Home」
この映画祭の開催は10月16日~19日。映画だけでなく、アート、パフォーマンス、工芸、演芸などあらゆる分野に対象を広げて京都から世界に文化を発信する。「よしもと祇園花月」(京都市東山区)をメイン会場に京都市内の複数会場で実施される。 オープニング作品には、竹野内豊主演の「at Home」(蝶野博監督・15年春公開)が決定。新垣結衣が主演する「トワイライト ささらさや」(深川栄洋監督・11月8日公開)、お笑いトリオ「森三中」の大島美幸が「第18回ファンタジア国際映画祭」で最優秀女優賞を受賞した「福福荘の福ちゃん」(藤田容介監督・11月8日公開)なども上映されるほか、1966年に大映京都撮影所で製作された「大魔神」シリーズなど特集上映も行われる。
「『鉄拳』パラパラ漫画の世界展」も開催
アート部門では、「タモリ倶楽部」の“ソラミミスト”としても知られるイラストレーターの安齋肇と現代アーティストのイチハラヒロコの2人展、お笑い芸人の桜 稲垣早希が主題歌を担当したアニメーション映画「燃える仏像人間」(宇治茶監督)に関する展示などが映画祭前に開催される。さらにお笑い芸人でパラパラマンガ家の鉄拳の「『鉄拳』パラパラ漫画の世界展」も。 会見には林海象監督をはじめ、稲垣早希や板尾創路、漫才コンビ「今いくよ・くるよ」らも出席した。 会見の後、懇親会ではマスコミ関係者も多く参加し、賑わった。 (文責/フリーライター・北代靖典)