ネイマールも食べた88万円のアイス!世界一高いジェラート「Cellato」の秘密
東京・渋谷区に本拠を置く、株式会社OMERが展開する、超高級アイスクリームブランド「Cellato」。昨年4月25日にはギネス世界記録「最も高額なアイスクリーム」として認定された。 ▶︎すべての写真を見る OMERは、大原昌人氏が創業した日本版のLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)を目指した会社。日本は経済成長が鈍化していて、直近だと円安による経済的な打撃も大きく、このままだと海外から貧困国として見られてしまう危機感がOMERにはあった。 大原氏は、このような状況の中、日本から世界のトップを目指す企業の枠組みを作りたいという思いに至る。 そこで着目したのがフランスのLVMH。世界の時価総額の中でトップ20はGAFAMや電子系、大手スーパーマーケットなどの企業が占めている中、唯一ブランドの分野で入っているのがLVMHだからだ。
商品の開発は、まずギネス記録という話題ありきで考えられた。いい物をブランディングして世界に販売していく戦略を取ることにしたので、商品の開発はまずギネス記録をキーワードにしたのだ。 最初からCellatoという高級アイスクリームを作りたかったわけではない。高額品のギネス記録が過去にバズっていたことに注目。実際、福島県にあるお店の「世界一高価なパウンドケーキ」が SNSで話題になり、ギネス効果が販売に大きな影響を与えたことがあった。 そこで、身近にあるけど、最高級品にはなっていないアイスクリームに目を付けて、ギネス記録を狙うことにしたのだ。
商品のコンセプトとして「自然からのおもたせ」を掲げ、日本特有の美しい四季から着想を得て、自然の恵みを贅沢に使用した細胞までも喜ぶCellatoというジェラートの開発に着手する。 どうしたらCellatoが世界にわかりやすくインパクトを与えられるのかを考えた結果、まず着目したのが世界三大珍味だった。 それらを使って試作品を作った結果、白トリュフと黒トリュフが誰でもわかりやすく、アイスとの相性がいいことがわかった。 だが、ここで最大の難関が訪れる。それはギネス記録に挑戦するアイスゆえに前例がないこと。つまり、誰も作ったことがない商品なので、自分たちで試行錯誤しながら作らなければならなかったのだ。 商品の開発を協力してくれるジェラート会社を探すことから始まり、世界三大珍味を使ったジェラートが前代未聞だったので、試作に大幅な時間が掛かり、商品開発だけで1年以上の時間を要した。 Cellatoが記録を更新する前のギネス記録は10万円。だが、Cellatoは世界にインパクトを与えるために、それを大幅に更新して88万円の価格に設定された。 その価格に見合ったジェラートに仕上げるのに大変な努力が必要とされたが、関係者みなが「ギネス記録に挑戦し、世界一を取る」ことで一致団結した。試作品を作ってくれた会社も、実現不可能かもしれないにもかかわらず、ポジティブに捉えて楽しんだ。 そして、ついに世界最高級のジェラートCellatoが完成した。 過去最高額で落札されたイタリア産「幻の白トリュフ」(1ロット/200万円)をふんだんに使った最高級ジェラート。 2種類のチーズをベースに、官能的で独特な香りの白トリュフが贅沢に溶け込んだ濃厚で芳醇なジェラート。合わせるのは日本の伝統食材「酒粕」。ほのかな甘みと華やかな吟醸香が白トリュフの香りに複雑味を持たせてくれる。 仕上げに、雪に見立てた白トリュフとパルミジャーノチーズを贅沢に乗せ、金箔があしらわれる。別添えの白トリュフオイルでさらに高級感溢れる香りが楽しめる。京都伏見にある竹内の職人による手仕事の錺金具スプーン付き。寺社仏閣建築に用いられる技と素材をスプーンに用いた。