松本直さん(福大3年) ドローンで空撮し、福島県民の課題解決や地域活性化 作物の生育分析、動画で魅力発信
福島大食農学類3年の松本直さん(23)は大学の仲間と共に、ドローン技術を生かして福島県民の課題解決や地域活性化を目指す取り組みを始めた。将来的には起業も目指している。 宮城県仙台市出身。祖父母が福島県伊達市でモモ農家を営んでいる。定期的に手伝いに出向いているうち、農家の大変さを実感し、状況を改善させたいと、食農学類に進学した。 幼い頃から無線の操縦が好きだった。大学入学後、ドローンの事業開発や活用機会の増加に可能性を見いだし、昨年10月にドローン操縦の国家資格を取得。起業に向けた第一歩として同年12月に学内でドローンサークルを発足した。現在、メンバーは22人で、県内の農家や自治体の依頼を受けながら活動している。 手始めに取り組んだのは、福島県大熊町のキウイフルーツ農家の支援事業。キウイ畑をドローンで空撮し、パソコン上で3次元化した画像を解析して生育状況を分析している。成長具合のばらつきなどを把握でき、品質確保に向けた改善につなげる。遠隔地から農場管理できる技術も使い、県内の他の農家に支援対象を拡大させていきたい考えだ。
福島県伊達市では、地元の自然豊かな風景を空撮して動画を製作。過疎化を食い止めるため、地域の魅力を発信する取り組みに協力した。小中学生らにドローンの使い方を教える教室の開催や、ドローンスクール開設などの構想もある。 松本さんは「県民のさまざまな課題に寄り添いながら、新たな業種をつくっていきたい。福島に貢献したい」と意気込む。