鷺流保存会が70周年公演 県教育会館で4演目を披露【山口】
山口鷺(さぎ)流狂言保存会(柏木享会長)の結成70周年記念公演は27日、山口市大手町の県教育会館で行われた。全国で山口市と新潟県佐渡市、佐賀県神崎市にしか残っていないとされる伝統芸能を500人が鑑賞した。 式典では柏木会長が「保存会は、1886年に山口に伝わった鷺流狂言を存続させるために1954年に有志らが結成した。演じる人、見てくれる人、行政や企業の支援にも恵まれた環境に感謝する」とあいさつ。同会顧問で県立大名誉教授の稲田秀雄さんによる基調講演もあり、同会の由来や県指定無形文化財である山口鷺流狂言の特徴などを話した。 公演では「神鳴り」「末広がり」「首引」「颯果(さっか)」の4演目を披露。「神鳴り」は、西国修行に向かう医者が、雲の上から落ちて腰を痛めた雷神のために荒療治を行い、全快した雷神はお礼として今後800年、災害が起こらないように約束する物語。医者を岡藤弦一君(山口大付属山口中2年)、雷神を弟の清明君(大殿小5年)が演じた。針を打たれた雷神が大げさに痛がる様子や礼を遠慮する医者のコミカルな演技に会場から笑いが漏れた。 弦一君は演技を終えて「緊張したが声がよく出た。これからも保存会に関わり、山口鷺流の独自性を守っていきたい」と話した。 当初、野田神社能楽堂で行われる予定だったが、雨天時の会場としていた同会館に変更した。