<速報>中日のビシエドが逆転満塁弾!
中日のダヤン・ビシエド(27)が24日、ナゴヤドームで行われたヤクルト戦で8回に、来日初となる逆転満塁本塁打を放ってチームの勝利に貢献した。前日に9回二死からゲームをひっくりかえされていた中日は頼れる新4番に一発でやり返した。ビシエドは、これで本塁打7本。阪神のゴメス、横浜DeNAの筒香と並びホームラン争いトップに躍り出た。
キューバンパワーの炸裂にナゴヤドームが揺れる。 2点のリードを持ったまま逃げ切りたいヤクルトは8回から新勝利の方程式のルーキがマウンドへ。だが、先頭の代打・藤井がショートへの内野安打で出塁すると、一死となってから堂上、高橋が連続四球を選びチャンスを広げて満塁とした。ここでビシエド。3-1のバッティングカウントから、甘く高めに浮いた122キロのスライダーを見逃さない。一塁ベースの手前で、打球の行方を確認すると、飛び上がった手を叩いた。 5-3。起死回生の逆転のグランドスラム。 「最高の瞬間だった。とにかく集中していた。ゲッツーになることだけは避けようとジャストミートだけを心がけていた。いい当たりだったね」 お立ち台に上ったビシエドの笑顔が弾けた。 インフルエンザをひきずる谷繁監督も「ビシエドが昨日からの悪い流れを最後一振りで変えてくれた。ひと振りで試合を決めるのが、4番の仕事、本当に4番の仕事をしてくれた」と絶賛した。 戦前の低評価を覆して、首位争いを演じている原因は、まぎれもなく、この新4番の存在なのだ。 ビシエドは、19歳になった2008年にイカダに乗って海を渡ってキューバを脱出した亡命キューバ人。マイアミのシンジケートを使って、ドミニカ国籍を取得、国際FAのルールを使ったホワイトソックスと4年、1000万ドル(約11億6000万円)で契約を結んだ。 2010年にメジャーデビュー。12年にはレギュラーとなり147試合で、打率.255・25本塁打・78打点の成績を残している。この年に外野のポジションを争っていたのが、阪神の福留孝介(38)。翌年は脇腹痛などの怪我に泣き14本に終わったが、2014年は、再び21本塁打をマーク。メジャー5年で通算66本塁打を放ち、昨年は1年440万ドル(約5億円)でホワイトソックスと再契約を交わしたが、キャンプ前にチーム事情でリリースされ、その後、一度もメジャーに呼ばれることなかった。