男子日本代表、パリ五輪出場権獲得 オーストリアにストレート勝ち 田㔟監督「自力で掴めて良かった」<世界卓球2024>
<ITTF世界卓球選手権釜山大会2024 日程:2月16日~2月25日 場所:釜山(韓国)> 21日、世界卓球選手権釜山大会の男子団体決勝トーナメント2回戦が行われ、日本代表とオーストリア代表が対戦し、日本代表が3-0で勝利し準々決勝に駒を進めた。 この結果、男子日本代表は女子に続き、パリ五輪団体出場切符を手にし、シングルス2枠も獲得となった。
女子に続き男子もパリ五輪への出場が決定
1番は張本智和(智和企画)と世界ランキング69位のアンドレアス・レベンコの対戦となった。 第1ゲームはアンドレアス・レベンコのサービスが光り、張本が8-11で先制される。第2ゲーム以降はレベンコの硬いブロックを緩急を使った攻めで張本が打ち抜き2ゲームを連取、逆転で勝利にリーチをかける。 第4ゲームは序盤から激しい打ち合いとなるが広角に打ち分けた張本が11-8で奪取。各ゲーム競り合いとなったが勝負どころで強さを見せた張本がゲームカウント3-1で勝利した。 2番は篠塚大登(愛知工業大)が45歳のロベルト・ガルドシュと対戦。 お互いに非常に厳しいコースどり・ラリーのうまさが光り、第1・3ゲームは篠塚、第2ゲームはガルドシュが奪う。 第4ゲームはロベルト・ガルドシュがリードを広げるも、思い切りの良いプレーを見せた篠塚が11-9で逆転。ゲームカウント3-1で勝利した。 3番は、日本から松島輝空(木下グループ)、対するオーストリアからはダニエル・ハーベソンが登場した。 第1ゲームから松島が打球点の速い攻撃と、後陣に下がっても打ち負けないパワーで試合を優位に進め3ゲームを連取。ストレート勝ちを収め、日本が3-0で勝利した。 これで日本は、パリ五輪の団体戦出場枠とシングルスの出場枠を2つ獲得した。準々決勝に駒を進めた日本代表は、次に中国と対戦する。
男子日本代表・田㔟邦史監督 試合後コメント
<五輪出場権を獲得したが> ほっとしています。自力で代表権を勝ち取るっていうことは非常に重要なことだと思うので、自力で掴めて良かったと思います。 オーストリアが中国香港に勝った試合は見ていて、中国香港が黄鎮廷(ウォンチュンティン)の出来がいいので怖いなと思ってて比較的オーストリアの方がやりやすいかなっていう感じではありました。 でも選手たちもやっぱり自力で出場権をとりたいっていう思いが強くて、(張本)智和とかも前半少し緊張してんのかなっていうか、メダル取ることと同じぐらい自力で(代表権)を獲得するってのは大きなことじゃないかなと思います。 <今日の3人のプレーを見てどうか> いやもう最高じゃないですか、うん。 もうなんか日に日に良くなってきてるんじゃないかなと思います。あとは状況によってプレッシャー感じることもあると思いますけど今回は非常に出来がいいかな。 <戸上(隼輔)選手もベンチに入った> もう全員で決めたかったんで。もう熱もなくて、薬も飲んでないっていうことなんで(入れました)。やっぱり彼もシングルスで代表に内定していたわけですから、みんなで代表権を獲得したかったですね。 <練習は再開したのか> まだしてないです。 今日の午前中、少しトレーニングしたみたいで、明日から30分の練習とかぐらいからスタートさせようかなと思いますけど、ちょっと難しいかなと思います。 <ドローの結果、準々決勝で中国との対戦となったが> 自分でも本当に驚いてますけど、中国とは前回あれだけの戦い方もしてるし、篠塚(大登)や田中(佑汰)も(松島)輝空も初出場でトップの選手とやる機会はなかなかないですから、そういった意味では、もう決まったことですからしょうがないかなと思います。 <日に日に良くなっている状態で中国戦に臨むことになるが> 非常に楽しみにしてます。今どれぐらいの試合ができるのかなっていう、もう何も怖いものもなく向かっていくだけですから、非常に楽しみだなと。 自力で(オリンピック)出場権獲得して気持ちも少し解放されるんじゃないかなと思うと、明日の中国戦がどんな試合になるのか楽しみです。 <今回の試合に向けてチームに何か話したことはあるか> 今日の練習で集合したときにドローについては申し訳ないって言ったんですけど、こういった大きな舞台でしっかり勝って自力で(オリンピック代表権を)掴むっていうことは自信にも繋がるので、ここはみんな一丸となって自力で掴もうっていう(話をしました)。 あとは、戸上が戻ってきて全員揃ったから、全員で頑張ろうっていう声をかけました。 <若いチームならではの良さは> 勢いがやっぱありますよね。(松島)輝空を見てても思いっきりやってくれてますね。 東京(五輪)が終わってから世代交代って言われて(水谷)隼や(丹羽)孝希がいなくなって苦しくなると言われていた中で、若い選手たちが成長してきてるなと思います。非常に楽しみな選手たちが揃ったなって。 <松島選手の試合も競ると思われたが> そうですね、2-0で回ってきたっていうところから相手のモチベーションとこっちのモチベーションの違いもあったと思います。 でも(松島)輝空は(ダニエル・ハーベソンに)1回負けてて当時の戦い方はちょっと良くなかったので、その対策だけは話をしました。でものびのびプレーしてくれましたね。 <初めての世界選手権とは思えない> そうですね。強化したら本当に怪物になるんじゃないかなと。 若い時に出てきてくれたのでいい競争にもなりますし、 輝空に近い下の年代も彼に影響されて若い選手たちが出てくると思うのでいいと思います。 <中国戦に向けて大事にしていきたいことは> 今本当にみんな調子がいいので、できることをもう最大限に発揮してほしいなっていう風に思います。 最初は自信持って試合をするけど試合中に必ず自信がなくなるとか、中国選手と試合をしているとそういったことが出てくるんですよ。ただ、最後まで強い気持ちで戦ってほしいなっていう風に思います。 まずは1戦1戦いきます。
世界卓球2024 男子団体決勝トーナメント
<2回戦 日本 3-0 オーストリア> 〇張本智和(智和企画)3-1 アンドレアス・レベンコ 8-11/11-7/11-7/11-8 〇篠塚大登(愛知工業大)3-1 ロベルト・ガルドシュ 11-4/9-11/11-6/11-9 〇松島輝空(木下グループ)3-0 ダニエル・ハーベソン 11-4/11-3/11-6 張本智和(智和企画) – ロベルト・ガルドシュ 篠塚大登(愛知工業大) – アンドレアス・レベンコ
ラリーズ編集部