「ますます特典航空券がとれなくなった」JALルール変更から10ヵ月…マイル「修行」に起こった変化
「えっ! こんなにマイルが必要に?」JALの特典航空券が取りづらい、ANAと異なる事情
その特典航空券は、JALはANAより予約しやすい。しかし、これも新制度がすこぶる評判が良くない。 JALは、国内線は片道4000マイルから、国際線は片道7500マイルから、特典航空券に交換可能だ。いずれも、一番少ないマイルで予約可能な座席がない場合に追加マイルで予約可能な「特典航空券PLUS」、いわば変動型運賃(ダイナミックプライシング)を導入している。 国内線普通席の場合、東京=大阪だと基本マイル数6000マイル/PLUS利用時は最大2万3500マイルが必要となる。一方、国際線エコノミークラスで、東京=ソウルで基本7500マイル/PLUS最大6万マイル、東京=ニューヨークで基本7万マイル/PLUS最大22万4000マイルが必要だ。しかもいずれも「片道」である。 実際のところ、空席多数の閑散期はその最低必要マイル数で予約できても、繁忙期は不可能に近く、かなりのマイル数が必要となる。そのため、「行き先は韓国・ソウルなのに、アメリカ・ニューヨークとほぼ同じぐらいのマイル数が必要」ということもあり得るわけだ。ソウルとニューヨークでは当然、距離も違えば運賃も大きく違う。 ANAと比べ、いくら特典航空券が予約しやすくとも、東京からソウルへ行くのに片道6万マイルも出すのは、誰しも躊躇するだろう。ちなみに、マイルで交換できて航空券の購入にも使える「JAL eポイント」は、1万マイル=1万5000ポイント(1万5000円分)で、6万マイルだと片道9万円という計算になる。 ◆マイル改悪はアメリカでも……国が航空会社を調査 航空会社のマイレージプログラムは、日本に限らず、世界中のあらゆる会社が行い、それぞれサービスを提供している。貯まったマイルを航空券に交換できる特典航空券は、広く知られている。一方で、特典航空券に必要なマイル数が事あるごとに増える、いわゆる「改悪」が行われることも珍しくない。 AP通信は、今年9月初め、アメリカ運輸省が大手の米系航空会社に対し、マイレージプログラムに関して調査していると報じた。調査対象は、アメリカン航空、デルタ航空、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空の4社。その記事によると、特典航空券に必要なマイル(ポイント)数の引き上げ、マイル(ポイント)で購入できる座席数を制限するなどで、昨今、各社のマイル会員らからの不満を受けての動きと見られる。 ◆搭乗実績より買い物など非航空事業の「金額」重視の気配 航空会社のステイタスを獲得するのに、搭乗実績以外も対象に加えるのは、ANAもすでに行っている。ANA系列の店舗やオンラインショップ、ふるさと納税や保険などの「ライフソリューションサービス」やANAカード・ANA Payでの決済が対象で、通常の年間搭乗実績より少なくても、これらを合算してステイタスが獲得できる仕組みだ。 デルタ航空も、’24年からルールを変更。実際に乗って飛んだ距離でなく、航空券のほかデルタ公式サイトからレンタカーやホテルなどで支払う、デルタ航空の提携クレジットカードでの買い物などの「金額」に応じてステイタスを付与する仕組みとした。