島を離れ全国に散ったのらねこは、SNSでつながって、学び生かして恩返し 種子島出身者でつくる学生団体 新たなコミュニティーのあり方発信
「古里と関わりを持ち続け、恩返しを」-。鹿児島県種子島出身の大学生たちがそんな思いを共有し、長期休みを利用して地域活動に取り組んでいる。学生団体「のらねこ」は結成3年目を迎えたこの夏、海岸清掃やアート体験会を開催。持続可能な開発目標(SDGs)につながるまちづくりの一翼を担った。 【写真】全国に散らばる仲間たちの所在地を記した「のらねこ」のパンフレット
国内外の大学、大学院に通う37人。高校卒業後に島を離れると、つながりが薄れてしまうことへのさみしさがきっかけになった。結成当初は新型コロナウイルス禍のため、交流サイト(SNS)を通じて連絡を取り合うだけだったが、2022年夏から活動を本格化。それぞれの学校で学んだことを生かそうと、環境ワークショップや特産のサトウキビに関する勉強会などを開いた。 今年8月には大学1年生メンバーが主体になり、小学生対象のアート体験会を企画。保護者も含めて約50人が参加し、フォトフレームやうちわ作りで盛り上がった。鹿児島大の奥村真歩さん(18)は「自分たちが育った地域のために、という思いがあった。参加してくれた子どもたちが後に続いてくれれば」と話す。 メンバーが帰省しやすい春、夏が主な活動時期。地元自治体から支援を受けず、島外企業の助成金を活用する手法で島内経済を活性化させる効果も狙う。団体の名称には、全国に散らばる仲間たちが自由に活動していく、との思いが込められている。
「自分たちの活動をモデルケースに他の離島にも広げていきたい」と代表の下江信之介さん(21)=公立鳥取環境大4年。鉄砲伝来の地から、新たなコミュニティーのあり方を発信していく。
南日本新聞 | 鹿児島
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