【こぼれ話】ファン時代はオグリキャップの勇姿に感動 高野師がスタニングローズで有馬初参戦
<こぼれ話> 有馬記念(G1、芝2500メートル)が22日、中山競馬場で行われる。高野友和調教師(48)は今年のエリザベス女王杯を制したスタニングローズ(牝5、高野)をラストランとして送り出す。これまでショウナンパンドラやレイパパレなど数々のG1馬を手がけたが、有馬記念に参戦するのは開業13年目で初となる。もともと根っからの競馬ファンである高野師。ファン時代の有馬記念の思い出を振り返ってもらった。 一番印象に残っているのは90年、オグリキャップのラストランだという。「一番競馬に多感な時期でした。今見ても感動します。あのスタンドの人口密度。4番人気で外した人が多かったのにもかかわらず、一体感がありました。しかもユタカコールじゃなくて、オグリコールでしたからね。本当にすごかった」。少年のような笑顔で興奮気味に話す。 1番人気はその年のダービー3着馬ホワイトストーン。オグリキャップは天皇賞・秋6着、ジャパンC11着と連敗を喫して有馬記念に挑んでいた。道中は中団で追走し、3~4コーナーで2番手へ。直線ではメジロライアンの追い上げを4分の3馬身差で抑えた。 当時14歳だった師はその衝撃でますます競馬のとりこになった。「夜もテレビでひたすら有馬記念が流れていましたし、社会現象でしたね。もともと競馬熱が高かったのが、より高くなりました。この世界に入るきっかけとなったレースでもありましたね」。 憧れの有馬記念初参戦に心も躍る。「やっぱり有馬は楽しみですね。しかも、あわよくばという馬で出られるので、楽しみ」。スタニングローズの最終追い切り後の状態については「乗り手の感触もよかった。前走よりもうひとつ良くなっている感触はある」と伝えた。オグリキャップと同じく、ラストランを花道で飾りたい。【下村琴葉】