【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第14ステージ】“本能の走り”を支える充実の戦力 マイヨ・ジョーヌのポガチャルがアシスト陣の好援護を受けて超級山岳プラ・ダデを独走「強いチームメートがいることで、僕は本能でレースができる」
数日前、「ピレネーで何が起きるか見ていてほしい」と語ったマイヨ・ジョーヌ。迎えたピレネー2連戦の初日、“有言実行”とばかりにアタックを決めた。アシスト陣は1日を通してレースをコントロールし、自身の攻撃直前にはチームメートに前待ちを託した。タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)に勝負できる下地が整ったとき、もはやその勢いを止めることは誰にもできない。ライバルたちはその事実を、超級山岳プラ・ダデで見せつけられることとなった。 【ハイライト】ツール・ド・フランス 第14ステージ|Cycle*2024
ツール・ド・フランス第14ステージ。ピレネー山脈3つの上りをこなす151.9kmのレースは、今大会最初の山頂フィニッシュでもあった。ポガチャルは残り5kmでの攻撃で、最大のライバルであるヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)やレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)を振り切ることに成功。第4ステージ以来となる今大会2勝目は、総合リードを広げる価値あるステージ優勝になった。
「今日の僕はとても調子が良くて、総合とステージの両方を追い求めることができる状況にあった。チームメートも好調で誰もが勝負できたのだけれど、このステージばかりはどうしても勝ちたかったんだ。その思いに応えてくれたチームメートには本当に感謝しているよ」(タデイ・ポガチャル)
大会第2週に入ってからフランス中央部を南下してきたプロトンは、いよいよピレネー山脈に脚を踏み入れる。ツールではおなじみのポーの街を出発し、おおよそ南東に針路をとると、ピレネーの山々が近づいてくる。
70.2km地点で中間スプリントポイント通過を済ませると、その先は山岳ルート。手始めに…というには大物すぎる超級山岳トゥルマレ(登坂距離19km、平均勾配7.4%)を上ったら、いったん下って2級山岳ウルケット・ダンシザンへ。そして最後にそびえるは、この2つ目の超級山岳プラ・ダデ。登坂距離10.6km・平均勾配7.9%で、上り口からの3kmに10%超の急勾配が控える。
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