「TSMC」関連取引、社数2年で1割増 地元「九州」は微増 取引企業は関東地方に集中
「半導体サプライチェーン」参入障壁の高さが課題、基幹産業化へのカギ握る
半導体受託生産で世界最大手の台湾・TSMCが熊本県に建設した工場が2月24日に開所した。熊本県内ではTSMCや関連企業の従業員を対象とした住宅・不動産需要や小売需要、建設需要が高まっている。既にTSMC第二工場の建設も決定しており、地元九州を中心に、工場就労者の増加による日用品や食品需要の増加、人材派遣・紹介の活発化など経済波及効果に対する期待度は高い。 ただ、TSMCグループなどと取引を行う企業数は、九州地方ではほとんど横ばいで推移した。半面、東京などに本社を置く企業を中心に増加し、取引内容でも半導体素材などを多く取り扱う企業が多いなど、取引内容にも差異がみられた。半導体産業に関連したサプライチェーン網への参入障壁が高いことも要因とみられ、九州外の企業に取引が集中している点に課題が残る。熊本県を中心とした素材や部材のサプライチェーンの構築が、半導体産業が九州の基幹産業として大きく発展するためのカギを握るとみられる。