川内原発20年運転延長が決まった〝県政節目の日〟…知事選3候補は街頭で何を訴えた? 言及、発言時間に温度差〈鹿児島県知事選7月7日投開票〉
九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の20年運転延長が始まった4日、鹿児島県知事選の3候補は各地で街頭演説を行った。鹿児島の原子力行政にとって節目の日。原発への言及内容や時間には温度差が出た。 【写真】(関連=左から)演説する米丸麻希子氏(4日・鹿児島市)、演説する樋之口里花氏(4日・薩摩川内市)、演説する塩田康一氏(4日・鹿児島市)
新人の米丸麻希子氏(49)は、指宿市と鹿児島市で計6回街頭演説したが運転延長には触れなかった。同日はタレントのデヴィ夫人らもマイクを握っており、米丸氏は取材に「時間がなかった。原発はない方がいい。再生可能エネルギーを推進したい」と語った。 マニフェスト(政策綱領)などでは「原発に頼らない社会、再生可能エネルギー先進県へ」と表記。運転延長は1回限りで再延長しないとしている。 市民団体が川内原発ゲート前で開いた抗議集会。新人の樋之口里花氏(52)は「知事の使命は県民の命を守ること。避難訓練ではなく原発を止めることが一番の安全対策だ」と訴えた。 その後は鹿児島市の住宅街や市街地13カ所で演説。4日を「悲しくて悔しい日」とし、全ての演説を運転延長の話題から始めた。原発への言及が大半を占め、西之表市馬毛島の自衛隊基地や子ども医療費の窓口ゼロ化などにも触れた。 現職の塩田康一氏(58)は鹿児島市や姶良市の3カ所で街頭演説。支援者の前で農林水産業や観光業などの「稼ぐ力」向上について大部分の時間を費やした。
原発の20年延長については「賛否双方の意見を聞いて議論し、決断の根拠を丁寧に説明してきた」と言及。県体育館建設に反対する意見などに反論する中で「『原発はない方がいい、段階的に止める。しかし権限はない』では鹿児島はよくならない」とも述べた。
南日本新聞 | 鹿児島
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