美しいラストに鳥肌…清原果耶と見上愛の演技に魅了され続けた理由とは? ドラマ『マイダイアリー』第9話解説&考察レビュー
毎週日曜夜10時より放送中のドラマ『マイダイアリー』。本作は、清原果耶が演じる、社会人になった主人公・恩村優希が、大学時代を振り返り、何気ない日常や仲間との繋がりをノスタルジックに紡いでいくヒューマンドラマ。さっそく、第9話のレビューをお届けする。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】清原果耶と見上愛が魅せる素晴らしい最終回…貴重な未公開カットはこちら。ドラマ『マイダイアリー』劇中カット一覧
忘れたいことから逃れてはいけない
『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系列)9話では誰かと一緒に歩くことの意味を教えられた気がする。優希(清原果耶)と広海(佐野勇斗)はお互いにとって一番幸せでいられる生き方を見つけられた。 優希と広海は虎之介(望月歩)、愛莉(見上愛)、まひる(吉川愛)の優しいもくろみにまんまとはまり、カフェでふたりきりで会うことになった。ふたりはぎこちなく、会話はほとんどない。別れ際、広海が「友達として」という言葉とともに、優希に手を差し伸べて握手を求めた。 広海は優希とずっと一緒にいることを望んでいるのに対し、優希からそれができないことを告げられ、生き急いでいた。アメリカの大学に再びチャレンジすることに決め、研究に励んでいる。 指導教授の義弘(勝村政信)は広海のそんな姿を見て、何かあったのではと勘ぐる。義弘は「生き急いでいませんか? 忘れたいことが原動力になっていませんか?」と、広海に尋ねた。そして、「忘れたいことは、忘れたくないことでもあると私は思います」と、彼の心に寄り添った。また、自分の見えていた考えが他にいってしまったと話す広海に、「手を動かすこと。もう一度自分の考えを見つけるまで、ひたすら」と助言した。 負の感情を原動力に努力し、大成功するケースもある。気を逸らしたい何か、あるいは負の感情はとてつもないエネルギーになることがある。しかし、義弘は忘れたいことを原動力にして取り組むことには否定的だ。義弘の広海に対する優しさであり、本作が視聴者に贈る優しさなのかもしれない。 現代に生きる私たちは生き急いでいるし、忘れたいことを忘れるためにがむしゃらになることもある。しかし、こうした生き方は自分にとって大切なものを失う危険さえもあるのだ。そしていつの日か、後悔するかもしれない。