プロ野球トライアウトで本当に獲得の是非が決まるのか?
プロ野球12球団合同トライアウトが、今日13日、福岡ソフトバンクの2、3軍施設であるタマホームスタジアム筑後で開催される。今回は47人が参加予定。 2010年に首位打者を獲得、メジャー挑戦経験もある阪神の西岡剛(34)、ロッテ時代の2007年に16勝したヤクルトの成瀬善久(33)、2015年に10勝、まだ23歳と若い中日の若松駿太、巨人で内外野OKのユーティリティプレーヤーとして2017年に90試合、今季も70試合に出場した中井大介(28)、2016年に62試合登板、5勝3敗23ホールドの成績を残した横浜DeNAの須田幸太(32)、楽天の左の代打切り札で今季4番を打ったこともある枡田慎太郎(31)らの1軍で実績を残した選手も参加する。 また仙台育英の準優勝投手、オリックスの佐藤世那(21)や、九産大からドラフト3位で日ハム入団も2年で戦力外となった高良一輝(24)らポテンシャルのある若手もいる。 近年、トライアウトから再契約に至るケースは稀だ。一昨年は65人中3人、昨年も51人中3人。昨年は、ソフトバンクの大隣憲司がロッテ、横浜DeNAの山崎憲晴が阪神、西武の田代将太郎がヤクルトに拾われたが、大隣はキャンプでの“追試”を経ての入団だったし、山崎は、大和がFAでDeNAへ流出することが濃厚になってからの緊急補強だった。 トライアウトのメインはシート打撃。カウント1-1から投手は打者4人に、打者は守備とのローテーションで4度から5度打席に入る。2001年にトライアウトがスタートしてから、ずっと議論になっている“そもそも論”だが、トライアウトでのたった数球、数打席の「抑えた」「打った」の結果が、獲得するか、どうかの球団の決断に大きな影響を及ぼすのだろうか。 毎年のようにトライアウトの会場で各球団の編成の方々に話を聞くが、その答えとしては「イエス」と「ノー」が混在している。 1軍出場経験のある選手は言うまでもなく、各球団ともにウエスタン、イースタンにまで編成担当を派遣していて、2軍での戦力チェックも恒常的に行われており、映像、データもあるため一定の評価は下されている。日ハムなどは、定期的にファームの戦力チェックをレポート提出しなければならないことになっていて関西の編成担当だった柏原純一氏はパソコンの操作に苦労しながら毎試合レポートを作成していた。つまり、トライアウトを見るまでもなく、戦力外になった選手の調査、評価は終わっているのである。 実際、それらの調査を元に評価が確定している選手はトライアウトに参加しない傾向にある。今回で言えばソフトバンクの寺原隼人(35)などはそうだろう。