初心者にも人気のイカメタルで狙うケンサキイカは今がシーズン。釣ってすぐ自家製タレに漬ける沖漬けは…もうたまらない
〈あゆLOVEフィッシング―上園あゆみ〉 【写真】完成したケンサキイカの沖漬け
夏場は日差しを避け、朝晩の釣りが人気となる。今回は鹿児島の夏の風物詩、夜焚(だ)きのアカイカ釣り「イカメタルゲーム」を紹介する。イカメタルゲームは専用の金属製の漁具を使って、船からイカを狙う釣り方。今、ケンサキイカ(鹿児島の呼び名はアカイカ)がシーズン真っ盛りだ。 鹿児島のイカ釣りのターゲットと言えば「イカの王様」と呼ばれるアオリイカ(ミズイカ)だが、ケンサキイカはスマートで透き通った美しい見た目から「イカの女王」と呼ばれる。甘みが強く食感も柔らかい。味わい深く、さまざまな料理に向くことから、イカの中でも最高級品として扱われるそうだ。 鹿児島では7月から9月上旬までがシーズンで、甑島周辺や坊津、枕崎周辺が好漁場として知られる。船に明かりをつけて魚を集め、それらを捕食しようと集まるイカを狙う。条件の良い日になると人気のポイントには船団の明かりが集まり、小さな町のよう。釣れるたびに真夜中の船上にこだまする歓喜の声は、夜の屋台でにぎわう雰囲気にも似ていて、海にいることを忘れるほどだ。
仕掛けは専用の金属製の重りに、カラフルな布を巻いた疑似餌。仕掛けを海底に沈めて動きをつけ、当たりがあれば合わせを入れて巻き上げる。道具が少なく、イカの当たりをダイレクトに楽しめる上に、おいしいイカが数多く釣れるということもあり、ビギナーから熟練者までファン層は幅広い。 今回は南さつま市の片浦漁港を発着する嘉栄丸に乗り合いで乗船した。この日はべたなぎで潮の条件もバッチリ! 夜7時に出船しポイントへ着くと、早速仕掛けを投入。幸先よく1投目から本命のケンサキイカをゲットした。サイズも胴長15~20センチとまずまず。期待のスタートとなった。 その後も時合いで連チャンし、深夜1時までに約60匹の釣果を上げた。釣り上げたばかりのイカはすぐにしょうゆ、みりん、酒を混ぜた自家製のタレに漬ける。イカが生きているうちにしかできない特別な沖漬け。これを作るのも楽しみの一つ。暑い夏を吹き飛ばす熱いイカメタルゲーム。夏の健全な夜遊びにイカが? 嘉栄丸=0993(63)1861。
南日本新聞 | 鹿児島