日本性別不合学会に改名 「障害ではない」広まり
心と体の性が一致しないトランスジェンダーの研究を推進する「GID(性同一性障害)学会」は17日、沖縄県で開かれた学会総会で、名称を「日本GI(性別不合)学会」に改名すると正式に発表した。トランスジェンダーは障害ではないとの考えが広まり、既に国際的な診断名として使われていないことを踏まえた。 トランスジェンダーへの差別投稿、根拠がないのに広まる理由 加担してしまった女性は「恐怖心から」
同学会理事長の中塚幹也・岡山大大学院教授は学会総会後の取材に「医療だけで解決できる問題ではなく、社会が変わらないと当事者の生きづらさは変わらない。今回の改名をきっかけに知ってもらいたい」と話した。 性同一性障害は2022年に発効された世界保健機関(WHO)の国際疾病分類で「性別不合」と改められた。それまで精神疾患として分類されていたが、改名に伴い、「性の健康に関する状態」とする分野に加えられた。 学会は1999年に創設以降、GID(性同一性障害)という名称を採用。2013年に米国の精神医学会が性同一性障害を「性別違和」と名称変更するなど、「障害」という言葉を使わない国際的な広まりを受け、検討が続いていた。