仙人掌。のパンを紹介する、スーシェフの荒田るいさん

　「Bread＆sweets仙人掌。（さぼてん）」（熊本市北区龍田8、TEL 096‐206-0167）が熊本・龍田にオープンして、4月1日で2カ月がたった。（熊本経済新聞） 【写真】看板商品の「仙人掌。食パン」 　店主の秋場昂大さんは10年以上のキャリアを持つパン職人。山形県出身で、製パンなどを学ぶ専門学校を卒業後に山形や福岡などで経験を積み、勤めていたパン店の転勤で熊本に来たという。 　「熊本の食材のおいしさや人の温かさに魅了され、熊本で自分の店を持ちたいと考えるようになった」と秋場さん。もともとケーキ店として使われていた物件に出合い、一念発起。「独立を決めて、勤めていたパン店を退職したが、そこからが大変だった。コロナ禍の影響による半導体不足で調理に使う機材の入手が難しかったり、TSMCの大規模工場建設のために建築資材不足だったりと、開店できる状態になるまで1年以上を要した」と振り返る。1年間ほど一般企業で働きながら、終業後の時間や休日には、開店に向けて商品開発に取り組んでてきたという。 　店には毎日45種類以上のパンを並べる。基本的に秋場さん一人で作っているため、毎日3時に作業を始めるという。「45種類のパンを作るのは大変な作業時間だが、ずっとやりたかったことをできている毎日が楽しい。老若男女、どんなお客さまにも『これが好きだ』と思ってもらえる商品が並ぶ店を目指している」と秋場さん。 　総菜パンや甘味パンなどが並ぶ中、一番人気は「仙人掌。食パン」だという。「一見、ごく普通の山形食パンだが、独自の製法で極限まで無駄なものを除き、口に入れた瞬間にフワッと小麦の香りが広がるのが特徴」と紹介する。 　秋場さんは「パン職人として1つ目の夢だった『自分の店を持つこと』がかなった。地域に愛される店になって、いつかは2つ目の夢である『子どもたちにパンを楽しんでもらえる場所を作る』ことができたら」と意気込む。 　営業時間は9時～18時。月曜（祝日は営業）・火曜定休。