18歳の門出を、まち全体で応援 「さぁ、行っといで。」の想いを込めて 南相馬市が伝えたいもの
コロカルニュース
■大人への入り口に立つ18歳を、まちのみんなで祝いたい 18歳の春。成人になり、進学、就職、引越しなど、環境が大きく変わる、人生の節目。福島県南相馬市では、夢に向かって巣立っていく18歳を地域全体で応援する「巣立ち応援18歳祝い金支給事業」を令和4年度よりスタート。今年で2年目の取り組みです。 【写真で見る】「市役所っぽくない」色やカタチにこだわった祝い金支給の通知 東日本大震災から13年。震災当時小学1年生だった子ども達は、18歳を迎えました。この地で育った地域の大切な宝である子ども達を応援したい。どんな支援が必要だろうと、市は令和3年度から検討を重ねてきました。18歳、新生活が始まるタイミングはなにかと出費が増えることから、祝い金(5万円)を支給。さらに「支給して、はい、終わり。にしたくない」との想いから、応援ポスターの作成が決まりました。 ■見る人の心を打つ、まちの応援ポスターが話題に 「さぁ、行っといで。」のコピーが目を引くポスターはこの時期、市内の公共施設や商業施設など、いろいろな場所に貼られ、まち全体で18歳をお祝い、応援するムードを生み出しています。漁師、小学生、美容師、パン屋、農家…被写体はすべて、地域のみなさん。被写体となった方の言葉をもとに紡がれた応援メッセージは、どれも心に響くものばかり。18歳のみならず、多くの人々の共感を呼んでいます。令和5年度に作成されたポスターから、1枚をご紹介。 いつでも見守ってるよ。心がトゲトゲしちゃったら、いつでもおいで。そのままの個性でいいじゃない。「こうじゃなきゃいけない」はないのよ。 モデルは「ちゅうりっぷ文庫」の梶田千賀子さん、鉄男さんご夫婦。梶田さんは震災後より子育て中の方の居場所として自宅の一室を開放し、絵本の読み聞かせや手遊び、紙芝居などを行い、多くの子どもたちに笑顔を届けてきました。年に数回は、震災で被災した方を追悼し、海に向かって絵本の読み聞かせを行っています。そんな梶田さんの活動に共鳴し、ポスターへの出演を依頼。市内在住の絵本作家が描いた絵で包まれた移動図書館車と一緒に、海を背景に撮影されました。 市内各地でのポスター掲示は卒業シーズンの3月いっぱいを予定。それ以降は南相馬市のホームページやnoteで確認できるので、ぜひご覧ください。 ■市役所からの封書ひとつにも、愛ある工夫を 半透明のトレーシングペーパーに、うっすらと浮かぶ文字。イベントの招待状さながらのおしゃれな封筒は、市役所から18歳の対象者へ届く、祝い金支給の通知です。手に取るだけでワクワクするような「市役所っぽくない」色やカタチにこだわったといいます。中には、四つ折りの案内状、市長からのメッセージ、写真館のお知らせ、まっさらな色紙。色紙には、友人や大切な人からのメッセージ、自分の目標などを書き込むことで新生活のお守りにしてほしいというアイデアが込められています。 ■卒業式の姿をプロが撮影する、特別な体験が一生の思い出に 県立高校の卒業式が開かれた2024年3月1日、中央図書館内で「卒業おめでとう撮影会」が開催されました。背景紙とストロボが設置された、プロのカメラマンによる本格的な撮影です。2回目となる今年は、予約の時点で満員御礼という盛況ぶり。