大相撲名古屋場所「土俵祭り」三役以上の力士ら安全祈願
12日の大相撲名古屋場所初日を前に会場となる愛知県体育館(名古屋市中区)で「土俵祭り」が行われた。北の湖理事長をはじめとした日本相撲協会の幹部と、三役以上の力士が出席。15日間にわたる場所中の安全を祈願した。同祭りは一般公開され、多くのファンが力士に声援をおくる姿が見られたほか、名古屋場所開催を告げる「触れ太鼓」が高らかに太鼓の音を響かせた。
横綱や大関など三役以上の力士がそろう土俵祭り
土俵祭りは各場所初日の前日に行われる行事で、横綱や大関など三役以上の力士と、北の湖理事長、審判部の親方ら協会幹部、全行司が参列。力士が順に会場入りすると、ファンからは名古屋場所への期待を込めて、声援が起こった。 土俵祭りは立行司の式守伊之助が祭主となって行なわれる神事で、祝詞(のりと)を読み上げて、お神酒を供える。その後、五穀豊穣の祈りを込めて、土俵中央の穴に清めの塩、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実の6種類の縁起物が鎮められる。 最後に、呼出が「触れ太鼓」を打ち鳴らして土俵を3周し、名古屋場所の開催を告げて締めくくられた。
呼出の手で作られる「土俵」俵の数は66個
本場所や巡業の際をはじめ、各相撲部屋の稽古用に至るまで、土俵は呼出の手で作られている。本場所の土俵は、一辺が6.7メートルの正方形で、約40トンもの土が使われている。 使われる俵の数は66個で、その一つひとつが手作りだ。毎日の取り組み後に、仕切り線の塗り直しや、ひび割れの補正などをしながら、本場所終了後には壊してしまう。
開催告げる「触れ太鼓」街中へ
この祭りは一般公開され、家族連れなど多くの相撲ファンが集まった。開始1時間前に到着した、市内在住の女性は「初めて土俵祭りを見学しましたが、とても厳かな雰囲気で、あらためて相撲は国技なんだなぁと感じました。名古屋場所では、照ノ富士の活躍に期待したいです」と答えた。祭りの終了後には、抽選で選ばれた参加者による、照ノ富士との記念撮影会が行なわれ、ロビーでうれしそうに応じる姿も見られた。 そして、名古屋場所の開催を告げる「触れ太鼓」が街中へ。高らかに太鼓の音を響かせながら、多くの人でにぎわう大須の商店街をめぐった。商店の店先で呼出が名古屋場所の開催を朗々と告げると、商店街の人や買い物客らが足を止めて見守った。 名古屋場所は、12日から26日まで開催。新大関となった照ノ富士を中心とした優勝の行方に注目が集まるほか、遠藤など人気力士の活躍、2場所続けて休場していた横綱・鶴竜の復帰にも期待がかかる。 (編集プロダクション エディマート)