スターラックス航空、A350・A330neo追加導入へ 旅行会社へPR
台湾のスターラックス航空(星宇航空、SJX/JX)日本支社は3月25日、旅行会社向けのセミナーを都内で開いた。9路線ある日本路線のほか、同社初の太平洋路線となったロサンゼルス線を紹介し、集まった30人近くの参加者に日本から北米へのツアー商品への活用をアピールした。また年内に、エアバスA350-900型機とA330-900(A330neo)の双通路機2機種を追加導入する。 【写真】ロサンゼルス発便で提供するドジャースのロゴ入り機内食 ◆年内26機体制へ 同社の機材はすべてエアバス機で、単通路機のA321neoを含め3機種保有する。現在はA321neoが13機、A330neoが4機。A350-900は3月に5号機(登録記号B-58505)を受領しており、3機種合計で22機導入している。 年内はA330neoを1機、A350-900を3機の追加導入を計画する。A321neoは追加せず、導入後の機材数は26機となる見通し。 座席数は、A321neoが2クラス188席(ビジネス8席、エコノミー180席)、A330-900が2クラス297席(ビジネス28席エコノミー269席)。A350-900は4クラス306席で、ファーストクラス4席、ビジネスクラス26席、プレミアムエコノミー36席、エコノミークラス240席で、台湾の航空会社としては現行機材に唯一のファーストクラスを設定する。ファーストとビジネスは、プライベート空間を確保するためのスライドドアを設けた個室タイプとなる。 ◆日本定期便9路線に スターラックスはエバー航空(EVA/BR)で会長を務めたチャン・クォウェイ会長が2018年5月に設立したフルサービス航空会社(FSC)で、2020年1月23日に就航。初の日本路線は同年12月15日就航の台北(桃園)-関西線で、翌16日の成田線、2022年2月17日の福岡線、同年10月28日に那覇と札幌(新千歳)の2路線を相次いで開設し、今年4月1日には仙台へ、9月1日に熊本へ、12月1日に中部にも就航した。 直近では今年2月1日に函館へ就航し、日本定期便が9路線に拡大した。また、3月31日からは定期チャーター便として台中-高松線を開設する(関連記事)。 日本路線のうち、関空と成田、札幌の3路線は双通路機で運航。このうち1日2往復の関空線にはA330neoとA350を1往復ずつ、同3往復の成田線にはA330neoを2往復、A350を1往復、同1往復の札幌線にはA330neoを投入する。このほかの6路線はA321neoで運航する。 中部線は当初、夏ダイヤ期初の3月31日から5月31日まで、A330neoへの大型化を予定していたが、大型化を取りやめA321neoでの運航を継続する。同社日本支社で販売を担当する旅客営業課シニア・スペシャリストの宮地紘史氏は、中部側でのグランドハンドリング(グラハン、地上支援)対応が困難なためと説明した。 このほか、日本からの利用が多い成田と関空、福岡、熊本の4路線には、日本人の客室乗務員(CA)が1人以上乗務する。同社によると日本人CAは現在40人程度在籍しており、今春にも採用するという。 ◆ドジャース提携で知名度向上へ このほか北米1路線目として、台北-ロサンゼルス線を2023年4月26日に開設した。A350を投入し、1日1往復運航している。ロサンゼルス就航に関連し、米メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースと「エクスクルーシブ 台湾エアライン パートナー」を締結。ロサンゼルス発便でドジャースをテーマとした限定アメニティーの提供のほか、搭乗券や手荷物タグ、紙コップなどにドジャースのロゴなどをデザインしている。セミナーでは球団本拠地のドジャースタジアムに、同社のロゴ看板を掲載している事例も紹介した。 スターラックスは日本・北米の両市場を重視しており、日本人選手が在籍するドジャースとのパートナーシップにより、国際的な知名度向上やファンのさらなる獲得を目指したい考え。 台北-ロサンゼルス線は台北発を午後11時台、台北着を午前5時台に設定する。宮地氏はロサンゼルス線について、日本全路線で往復とも台北での同日乗り継ぎできるとアピール。旅行代理店各社に対し、「メジャーリーグ観戦ツアーなどで活用して」と語った。
Yusuke KOHASE