福本莉子のセットツアーも!神社仏閣の持つ重厚感×西洋のゴージャス…美術デザイナーに聞く『全領域異常解決室』セットのこだわり
ドラマ『全領域異常解決室』で、藤原竜也さん演じる興玉雅(おきたま・みやび)と、広瀬アリスさん演じる雨野小夢(あまの・こゆめ)が所属する世界最古の捜査機関「全領域異常解決室(以下、全決)」。 【写真】細かいこだわりと神秘性が込められた「全領域異常解決室」のセット 当初、「全決」の目的は不可解な“異常事案”を解決することだと思われてきました。しかし、物語が後半に入ると、異常事案とは“神々”が人知を超えた能力を使って起こした超常現象であり、それらを人間が納得できるように“丸く収める”ことが本当の役割であると判明。 さまざまな謎の全容が明らかになりつつあるなか、今回、「全決」のセットを取材しました。 外観は、鉄筋コンクリートのモダンな建物ながら、そこから長い廊下を経てたどりつく「全決」は、異世界に入ったかのようなタイムレスな雰囲気。無機質から一転、新旧と和洋がミクスチャーした木造の世界が目の前に広がります。 どんなこだわりが詰まっているのか、デザインを担当した宮川卓也デザイナー(フジテレビ美術制作センター)に聞きました。 ――オリジナル作品のため、ゼロからデザインを起こしたと思います。オファーを受けたときは、どう思いましたか? こういったドラマの捜査本部は、警視庁のビルなどの中にあるというのが一般的ですが、今回は、もともと神社の社(やしろ)の横にある社務所(しゃむしょ)の地下にあるということでしたので、いろいろと遊びを入れられそうで面白いな、と思いました。 ――「全決」は木造でレトロですが、外観はコンクリートでモダンですね。 まず、セットを先行してデザインしていたところで、外観が決まったんです。外観は鉄筋コンクリートだけれど、神社の敷地内にあるのだから、そこの地下に古いものがあっても説明がつくだろうということで。 そういう意味で、建物の入り口から「全決」までの廊下は、その中間というか、鉄の雰囲気と木造のテイストがちょうど融合した感じになっています。部屋に入ると、木造になるので、そこへ行くまでのグラデーションとして、なじむようにしています。