【毎日書評】借りるだけじゃない得する図書館の使い方教えます!
図書館を歩き回ると創造性が増す
図書館の本は、請求記号(本の背中についているラベル)の順に並べられています。そのため特定の本を探そうとすると、棚から棚へ歩かされることにもなります。 不親切だと思われるかもしれませんが、じつはそれも図書館の仕掛けのひとつ。つまり歩き回れば、アイデアが浮かびやすくなるのです。 歩くと創造性が増すことは科学的にも立証されています。創造性を測る数種類のテストを受けた人の内、歩きながらテストを受けたグループが好成績をあげたのです。 実際に進化論で知られるチャールズ・ダーウィンは、屋敷のまわりにあった散歩道を何時間も歩いて問題を考え続けていました。あのスティーブ・ジョブズも、長時間の散歩で有名で、歩きながら会議をする「ウォーキング・ミーティング」をおこなうほど。(192ページより) もちろん歩く場所は関係なく、屋内でも散歩と同じ効果が得られるでしょう。そこで、考え事をするときやアイデアが欲しいときは、図書館の棚の間をウロウロしてみることを著者は勧めています。そうすれば創造性が増すだけでなく、問題を解決してくれる本と出会う可能性も高まるわけです。(191ページより)
移動して記憶力をアップする
“集中している人”には、机の前でじっとなにかに没頭しているというようなイメージがあるかもしれません。しかしその一方には、同じ場所にじっとしているのが苦手な人もいるもの。だとすれば、そんなタイプの方はどうすればいいのでしょうか? 同じ場所にジッとしていられなくても大丈夫。むしろ、場所を変えて作業したほうが脳は活性化し、とくに記憶力に大きな影響があります。 精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑さんも1日に3回、仕事をする場所を書斎・カフェ・事務所と変えているそうです。場所が変わると気分転換になり、集中力もリセットされ、執筆がものすごく進むと、著書の『インプット大全』(サンクチュアリ出版)に書いています。(193ページより) もちろん自宅やカフェだけでなく、勉強や仕事に集中するためには図書館も大きな役割を果たしてくれることでしょう。(193ページより) 数年前、リニューアルされた近所の図書館に足を運んだ際、居心地のよさに感動したことがあります。併設されたカフェでア・トライブ・コールド・クエストというおしゃれなヒップホップ・グループを聴きながら本を読める日が訪れるだなんて、想像したこともなかったからです。そして気がつけば、普段なら気にもかけないような本を読破していたりもしました。 つまり図書館は、そんな予想外の体験をできる場所でもあるのです。だからこそ、本書をきっかけとして、ひとりでも多くの方に図書館の魅力を知っていただけたらと強く感じます。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 秀和システム
印南敦史