「スマホで撮影だけして帰る人も…」京都で人気の“怪談和尚”が明かす「淋しいなぁ」と感じる参拝マナー
私は京都の「蓮久(れんきゅう)寺」の住職です。 日本最古の花街「島原」に近い場所にあり、才色兼備と謳われた遊女・吉野太夫が寄進した赤い山門が目印です。 【画像】夜に飴を買いに来る女性の後をつけるとそこは墓地で…「幽霊子育飴」が買えるのはここ 仏教の教義を説く際に怪談を織り交ぜることから、いつしか「怪談和尚」と呼ばれるようになりました。怪談を語り始めたのは約20年前。暴走族の非行を止めるために法話をお話ししたのですが、彼らは聞く耳を持たない。そこで試しに怪談を語ったら、身を乗り出して聞き入ってくれた。そのとき、怪談が人を惹きつける力に気づいたのです。 私の元には日々、さまざまな恐怖の体験談が集まります。そしてご相談者様の許可を得て、説法にすることで供養しているのです。決して恐がらせるのが目的ではなく、そこから仏教に興味を持っていただきたいのです。
1億5千万円の宝くじ当選
京都で訪れていただきたい場所、先ずは「妙顯(みょうけん)寺」です。私が京都へ戻ったとき、「妙顯寺のお手伝いをしなければならない」という気持ちが芽生え、門を叩きました。夜間拝観の企画を立てるなど、心を尽くした。 そんななか、老朽化した蓮久寺の建て直しを仏様に祈願したところ、夢に大黒様が出てきてくださり、そして2019年、「初夢宝くじ」で1億5千万円が当選しました。「仏様に懸命に仕えたことが、仏法の守護神に通じたのだ」と胸が熱くなりました。
幽霊にゆかりが深い街がある
「天神さん(北野天満宮)」のお膝元、北野商店街もお薦めです。私が生まれ育った街でしてね。往時の姿を今なお残す、懐かしい雰囲気が漂う商店街です。そして、「幽霊を見た」「妖怪がいた」といった目撃例が多い街でもあります。私も小学生のころに幽霊に会った経験がありますし、クラスメイトにもある。霊が集まってくるのでしょう。 北野商店街から続く大将軍商店街も妖怪にゆかりが深い。旧正月に不要になり捨てられた物たちが付喪神という妖怪になって深夜に徘徊したという「百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)」の言い伝えが残っています。「物を大切にしましょう」という戒めですね。現在は「妖怪ストリート」という愛称で街おこしをしています。 京都には「幽霊子育飴」というお菓子もあります。昔、夜ごと「飴」を買いにくる女性がいました。あまりにも毎晩やってくるので不審に思った店主が後をつけると、辿り着いた場所は、なんと墓場。そして土中から赤ちゃんの泣き声が聴こえてくるではありませんか。声がするところを掘ってみると、生きた赤ちゃんと、女性の亡骸がありました。 我が子よりも先に死んでしまった女性が、子どものために飴を買いに訪れていたんです。赤ちゃんは救出され、その後、女性が飴を買いにやってくることはありませんでした。原材料は麦芽糖とザラメ糖のみを使用しており、さっぱりとした甘さ。おいしいですよ。