前売り低調の万博入場券 大阪の40市町村が「共通返礼品」採用へ 不採用は交野市と吹田市
来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博の入場券を、大阪府内の40市町村がふるさと納税の「共通返礼品」とする見通しであることが9日、府などへの取材で分かった。府内全43市町村のうち万博会場がある大阪市と合わせ、41市町村が返礼品として提供する予定。年末に向けふるさと納税の駆け込み需要が高まる中、売れ行きが伸び悩む入場券の販売促進につながるか注目される。 【グラフィック】万博入場券は大阪府内40市町村がふるさと納税の共通返礼品にする見通し 返礼品は地方税法上、自治体区域内での生産・提供が条件とされるが、都道府県が区域内の自治体と連携して共通返礼品にすれば、他の自治体も扱える。 万博会場がある人工島・夢洲(ゆめしま)を区域内に持つ大阪市と府はすでに返礼品としている。大阪市以外の42市町村のうち、府の意向確認に採用を申し出た39市町村が11月18日から共通返礼品として扱えるようになった。 残る3自治体は交野市と吹田市、能勢町。能勢町は意向確認の時期が町長選の繁忙期と重なり、今回は見送った。担当者は「次の機会に申し出を予定している」とする。 交野、吹田両市は採用を予定しておらず、交野市の山本景市長は取材に対し、入場券との競合で既存の返礼品を提供する市内の事業者が収益を得にくくなるなどと説明した。吹田市の担当者は万博が大阪市内で開かれることから「市の魅力発信や地域経済の振興につながらない」と話した。 4日までの入場券の前売りは約740万5千枚で、目標とする1400万枚の5割程度。吉村洋文知事は9日、共通返礼品としての採用は強制しないと断った上で「より多くの人に万博を知ってもらえる機会になればいい」と述べた。(山本考志)