維新・馬場伸幸代表の後任は吉村洋文大阪府知事が軸 求められる党勢回復と政局力
日本維新の会の馬場伸幸代表が衆院選で公示前より議席を減らした結果を受けて実施される代表選への不出馬を表明し、新たな代表選びが始まった。8日には党本部で立候補者説明会が開かれ、知名度が高い吉村洋文共同代表(大阪府知事)の対応が焦点となる。党勢を回復し複雑化する政局を乗り切れる新たな「顔」を選べるかが試される。 【ひと目でわかる】比例得票でも〝最弱〟大阪自民、2連続で対維新「0勝15敗」 維新の藤田文武幹事長は7日、国会内の記者会見で、馬場氏の不出馬について「潔さ、いったん身を引く判断には敬意を表したい」とねぎらった。同時に、新代表に求められる資質に関し、「誰がなっても難しい。非常に強い気持ちで党内をまとめ上げ、各人の能力を最大限引き出してもらえる人に頑張ってほしい」と述べた。自身は新体制発足とともに役職を外れる意向を示した。 代表選は17日告示、12月1日投開票の日程で行う。新代表に求められるのは、来夏の参院選など大型選挙に向けた党勢回復と、複雑化する中央政界で維新を埋没させない「政局力」だ。「選挙の顔」という意味では〝全国区〟の吉村氏が最有力だが、他にも出馬を模索する動きがある。 一方、仮に吉村氏が選ばれた場合、国会議員が共同代表に就くとみられる。だが、衆院選後の永田町は与野党間の駆け引きが激しく、その間隙を突いて「是々非々の維新らしさ」を発揮するのは並大抵ではない。維新中堅は「与野党から正確な情報を入手し、正しい決断を求められる共同代表は大変になるだろう」と話す。 衆院選で維新は公示前よりも5議席減の38議席にとどまった。今回の選挙では令和3年衆院選よりも68人多い164人を擁立したが、比例代表の得票数は前回衆院選から約300万票減の約510万票だった。 選挙結果を受けて馬場氏の責任を問う声は地方、中央ともに強まっていた。ただ、馬場氏自身は選挙直後から周囲に「代表選は不信任を意味する。そうなれば出馬しない」と語っており、手続きに従って「腹を切る」覚悟を決めていた。(千田恒弥)